ビギナーの風水学講座:目次


風水の限界と制約



風水に対しての疑問

これまで、方位のこと、地図のことを追求して来られた賢明な訪問者諸氏は、うっすらと考えていらっしゃるかも知れません。
この風水学というものが、地球上の方位とか磁力とか、気候風土というものを根拠にして成り立っているのなら、例えば、北極、南極などの極地ではどう判断すればいいのか。

そうです、実は、その答えは出ていません。なにも威張るわけではありませんが、風水学というものが、中国、朝鮮半島、日本というアジアの一部地域を中心に研究され発展してきたものである以上、それ以外の土地、風土において、そのまま当てはめて見るのは、やはり問題があります。
南極、北極では日本における方位の概念はあてはまりませんし、そこまで行かなくとも、北半球と南半球ではかなりの違いがあります


例えば有名な例では、コリオリの力というものがあります。
北半球では台風の渦は半時計周りの渦を巻きますが、南半球では反対になります。コリオリの力が影響するのは、地球規模の自然現象の場合だけなので、日常生活ではっきり意識することは少ないかもしれません。
しかし、こういう事例を取っても地磁気の働きが違うという証拠ですから、北半球で生まれた風水学というものを、そのまま海外各地でそのまま当てはめてよいものかどうか、疑問があります。

また方位に関しても、かなりの問題があります。
日本から西へ西へと進んで行ったとします。そうするとインドからアフリカ大陸のタンザニア、ザンビア、ナミビアとなりますが、その先の大西洋の途中からは東になります。するとナミビアという場所は、日本からの距離は遠いのですが、地球のほぼ裏側に当たるため、ナミビアへ行った人が果たして西の果てに行ったことになるのでしょうか。このやりかただと、西の果てのすぐ隣が東の果てになってしまいます。丸い地球を無理に平面に投影して、きっちり東西南北を決めようとすると、こんなおかしなことになります。

また同様に、オーストラリアは日本から見て南ですが、赤道を越えているので、完全に南として良いものかどうかにも疑問があります。方位学上の方位は、定義どおりに地軸を起点にして「○度」というだけですので、迷う必要はありません。しかし、風水学上の方位を決めるのは、慎重にしなければなりません。


現在、風水学では、グローバルな観点から見て、幾つかの課題が残されています。


気候にしても、南半球では北に行くほど暖かくなってしまい、北を坎宮・水の性質とする風水学の考え方からは外れてしまいます。では単純に南北を反対として良いものかどうか、これは自分の目で見てもいないことを書くわけにはいきません。
方位だけを南北逆転してみても、そこに住む人は生まれた季節の五行が違うのですから、この問題を残して方位だけを逆転してみると、おかしなことになります。
家の構造じたいも、極地などではずいぶん違うようです。

この地球規模で見るという点では、日本と関係深い国の中では、ブラジルのリオデジャネイロ、サンパウロあたりは、限りなく地球の裏側に近い場所です。活路を求めてブラジルへ移住するということが、風水的に見て、果たしてどうなのか?
地球には幾つかの対蹠点(たいせきてん=反対側の場所)があり、さまざまな変わった現象が報告されています。

筆者は現在、ブラジルへの移動については、中宮星で見るという立場を取りたいと思っています。中宮ですから、その年にどんな星が回っていても、五黄土星の象がつきまとい、吉凶共に大きく出るという見方ができます。
五黄土星というのは、良くも悪くも中途半端では済まず、極端に走りやすい星です。苦労がつきもののことと思います。

こういう具合に、作者の力量不足と地理、物理に対する知識が未熟なため、これらの疑問が多く残され、皆様の疑問にお答えすることが出来ないのは非常に残念です。
しかし、これは風水学じたいの成立の事情や、現時点ではまだ研究途上であることから、ある程度仕方のないことでもあり、今後、皆様からの情報に期待したいところです。
しかし実を言いますと、昨今の風水ブームというのは、日本が欧米化する過程で忘れてしまっていたものが、欧米から逆輸入されて始まったブームであり、海外にお住まいの方の中にこそ、熱心な風水学の実践者が多く見受けられるのです。

当サイトでは、方位に関することは、あくまでも極地を除く北半球を起点にして考える前提にしています。今後、出来る限り資料を集めるよう努力いたしますが、海外ではそのまま当てはまらないことに対しては、その旨分かるように記述してゆきます。
風水がいわゆる占いや迷信のタグイから脱却する為にも、不明確なことは不明確としてはっきりさせてゆくのが、正しい態度ではないかと思います。
もし、海外で生活していらっしゃる方で、風水の資料として役立つことがありましたら、作者までお寄せいただければ幸甚です。


現在のところ、インターネットの利用者はアメリカ大陸が多いようです。北アメリカ大陸にお住まいの方の場合は、北半球ですので、日本の風水学とほぼ同様に見て差し支えありません。
また、外国で長期間生活していらっしゃる方が、また日本に戻っていらっしゃる場合や面積の広い大陸内での移動には、必ず自分の住んでいる都市を中心とした方位の正しい地図(その都市を中心とした、目的地への最短距離図)で見なければなりません。
このサイトでは方位地図ライブラリで方位地図を豊富に提供していますので、どうぞご利用下さい。


このように、現時点では風水の適用範囲にある程度の制限を設けなければなりません。しかし本サイトでは、住宅、旅行の風水のみならず、ビジネスに生かす風水学や、人間学に基づいた応用編に重点をおいて紹介していきますので、意外な発見がある筈です。

家はあくまでも、容れ物です。しかし、家は人なりという観点では、個人の持つ相の一つでもあります。いたずらに風水で棚からぼた餅のような期待をするのは問題がありますが、人間環境学としての風水ときちんと向き合い、そこからよりよい生活のしかたを探ってゆかなければなりません。
そもそも、運命とは何なのでしょう?これらのことは「運命の五大要素とは」でも少し触れているところです。

単なる占いでもなく、かといって表面的な科学という物差しだけで、未知の世界を全て割り切ろうとせず、あくまでも「人間学」を前提にして風水を学ぼうというのが、このサイトの姿勢です。今後ともより充実したサイトに成長してゆくよう、尽力したいと思っております。


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