風水学講座:目次

一戸建かマンションか?


作者の疑問

この章では、とても大切なことを述べます。あまり実用的なことでもありませんし、皆さんが喜ぶ内容でもありません。しかし、最後まで読んで下さる方は、何らかの得るところがあると思います。

このサイトを立ち上げてから、多くの質問や通信鑑定の依頼をいただきました。そんな中で、いったん鑑定が済んでも、住宅を取得するための注意点などについて、個別にサポートするのが難しくなってきたことと、またこれから購入の予定のある方のため、手遅れにならないうちに、この章を執筆することにしました。
不動産業者には迷惑かもしれませんが。

メールでの説明にはどうしても限界がありますので、この際じっくりと読んで頂くため、余話を交えて述べてゆきます。ただ、拘わったご当人にとっては、少々失礼な話もあるかもしれませんし、金銭的なことも絡んできます。
しかし、私の実際の経験から感じたことですので、嘘偽りのない話です。頭のどこかに留めておいて頂ければ、と思います。

筆者が実際に鑑定にあたり、また自分の周囲を知っている限りで痛感することは、一戸建派とマンション派では、なぜこうも物の考え方や行動が違うのだろうか、ということです。

なぜこんなことを考えるようになったかというと、はっきり言って、一戸建を購入する方に共通するのは、こうした方が良い、と風水の原則を申し上げても、なかなかそのアドバイスを生かしていただけることが少ない、ということです。
一方、マンションの風水鑑定の方は、会社が絡んだものを除いて、今まで全くキャンセルもなく、出来得る限り風水の法則にのっとって計画を立て、予定の変更も辞さない、という方がほとんどです。

運命鑑定に至っては、決して安くはない料金設定ですが、現在のところキャンセルゼロです。前に一件だけ連絡のないケースがありましたが、一カ月以上経って、「何だか、見てもらうのが恐ろしくなって、尻込みしてしまいましたが、やっと決心しましたので、改めてお願いします」とのこと。

購入計画から入居、鑑定の申し込みから支払いまで、手続きその他は、マンションでも一戸建でも、何ら変わりはない筈です。
しかしながら、こと私の拘わったケースに限っては、この差があまりに歴然としている為に、最近はこちらも、一戸建の風水鑑定がFAXで入ると、正直いってあまり気乗りしなくなってしまいました。


本当の原因は?

これには幾つか原因が考えられます。
一つは、一戸建を購入する世代が、自分でこのサイトに辿りついた熱心な読者ではない可能性が高い、ということです。たぶん、家を購入するので、風水というものも見ておいたほうが良いのではないか、ということになり、人から聞いたか、サイトの内容はよく読まずに、主として鑑定料金のことだけ見て、問い合わせを入れていらっしゃることが考えられます。もしかしたらFAX番号だけしかご存知ないケースがあるかも知れません。
こういう方は、風水というものに対してあまく重くは考えていらっしゃらない為に、最初から「たかが占い」という認識です。たぶん気休めのために見て貰うので、料金だけを身比べて、きっとあちこちで同じことをなさっているかもしれません。この章なんか、読んでいらっしゃる可能性は低いでしょう。
かえって、中高年の世代のほうが、風水、家相に対しての認識はきちんとしている筈です。
また、入居の時期とか方位のことを尋ねて来られる方は稀で、す。マンション派の方は必ず尋ねてこられるのに……。

二つ目の原因は、このサイトの料金設定や受付方法、その他に原因があるのかも知れません。
マンションの鑑定は一人用で10、000円、家族でお住まいの物件が15、000円です。
一戸建は、家族でお住まいになる方が多いでしょうし、ほとんどが二階建、三階建でガレージつき。地相から植えている樹木から、門や池の位置関係まで、マンションとは比較にならないほど複雑です。
これで、2000年9月現在、30、000円から50、000円です。二世帯住宅や事業所を兼ねた物件はまた別ですが。新築で図面を書き直した場合は、その再鑑定まで含みます。
建替えの場合は更に複雑になります。いったん他の場所に移転し、一定の期間を置いてから増改築にかかり、また戻らなければなりません。これを家族全てにとって凶方にならないように計画するのは、素人には至難の技です。

これで、「やっぱり高いから止めました」とおっしゃるのは、筆者から見ると、どう考えても理屈に合いません。
これは、本格的に一戸建の建築を考えていらっしゃる場合は、やっぱり直接合って鑑定する方が体質に合うのでしょうし、鑑定料金も何十万円戴いたほうが、値打ちがあるのかもしれません。中身はともかくとして。
このサイトで一戸建の鑑定を受けるのは、中途半端なのだと思います。

第三の理由として、これが肝心なのですが、非常に気になることがあります。
一戸建派の中でも、第一、第二の理由に当てはまらない方は、沢山いらっしゃると思います。
インターネット利用者の大多数を占める、20代から30代前半の方であっても、一戸建を購入される方は多いでしょうし、このサイトをちゃんと読んでおられる方も、沢山いらっしゃるでしょう。第一、地域によっては、一戸建てよりも集合住宅を探す方が、難しい場所もあります。

気になることというのは、これまで、鑑定の依頼を受けた一戸建住宅で、少しでもマシな物件に出会ったことが皆無なのです。
まったくお話にならない、筆者だったら、「家賃タダでいいから留守番代わりに住んで」と言われても、怖じ気つくような物件ばかりです。

有望なケースとしては、かなり大きな家で、増改築の計画を、何度も何度も繰り返して鑑定を依頼され、更には、幾つか所有している工場との位置関係や稼動状況まで、徹底して分析され、風水にのっとった生活設計を立てておられます。
また、運命鑑定と風水鑑定を一緒に依頼される方の多くは、考え方の根本からして、占いサービスを利用されているわけではなく、自分と家族を総合的に判断して、何でもいいから運命を切り開いていきたい、という姿勢の方です。
こういう場合、お申し込み件数が多くなるとこちらも大変なのですが、何とかより良い方向性を張り切って考えてあげたくなるのは人情というものです。

考えてみると、一戸建鑑定だけを依頼される方は、呆れるぐらいキャンセル率が高いのです。そして、詳しく見るまでもなく、ちょっと首を傾げるような風水相です。
鑑定の受付には、やはりそれなりの手間隙がかかりますので、何度かFAXや郵便でやり取りをした後でのキャンセルははっきり言って迷惑です。ですが、この原因がどこにあるかと考えてみれば、どうも、家が人を作っているような気がして、仕方がないのです。

現在、首都圏で庶民の手に入りやすい大きさの一戸建住宅というのは、せいぜい4〜5室、5〜6室で、土地いっぱいを許容範囲ギリギリに使って建てたものばかりです。
東京都内になりますと、ほんとに猫の額ほどの土地に、身を寄せ合うようにして建売が並んでいます。これらの住宅は、みんな似たり寄ったりの構造です。
いい替えれば、ほどんどが悪相です。

特に最近の傾向として、ちゃんとした部屋は主として二階にもってきて、一階部分はリビングとキッチン、風呂場などにしてしまう設計が多いようです。一階は湿気が溜まりやすく、狭い土地で道路に面していたりすると、プライバシーの問題もあって、どうしてもそうなってしまうのでしょう。
そして当然、車庫も欲しいということで、一階の一部分を刳り貫いてガレージを収めているものが多くなります。これが問題です。


悪相その一

一例として、投げ込みチラシの物件を紹介します。
ホントに小さな土地に精一杯の建築計画で、首都圏に多いモデルとして取り上げました。

これは主婦が欠けた相です。
一階の南側半分が車庫と玄関、トイレで、さらに北東が階段です。一階の半分がほとんど欠けということになります。家相というのは一階が重要なので、二階、三階がいくら良くても、土地についた部分が良くないのでは、将来が心配です。
この例では北東の玄関も良くないですが、それ以前に、主婦を意味する南西方位が車庫になっていて全く部屋がありません。これでは、運勢の弱い奥さんですと、病気がちで病院と家を行ったり来たりという形で留守がちになります。
運勢と生命力の強い奥さんですと、別の事情で家を空けることになりますが、ひょっとするとそれは、愛人の元に入り浸りということかもしれません。
もしこれが上下逆に反転していて、北西が車庫ですと、ご主人の方が留守がちになります。
それが単身赴任ぐらいであればいのですが……。

これで高いお守りを売り付けたりすれば、まるでオドシの悪徳商法が成立してしまいます。
何とかしてあげたいのは山々ですが、原則としてこの家相の悪さを防ぐ方法はありません。
全く無いことはないのですが、一時凌ぎでしかありませんし、それほど簡単な方法でもありません。赤いものを置けば良い、という昨今の流行に乗りたくなる気持ちも分かりますが、気休めは気休めでしかありません。幸福の素は、真実を見ることから始まると思うのですが。


悪相その二

ついでにもう一例紹介します。東京23区内の物件ですが、さすがの筆者もこれまでお目にかかったことのない、信じられない程の悪相です。じつに、世にも稀なと言っていいぐらい……。
一目見て、どこがどう悪いのかお解りでしょうか。

一戸建の場合、最初に見るのは敷地の形です。
図面では真ん中が欠けのように見えますが、これほどの大きな変形ですと、欠けというよりも、三角形を二つ併せた形と見ます。
建物じたいを見ても、真ん中が廊下と玄関ですので、この場所には人の気が降りず、完全に左右に分離した建物となります。

風水では、敷地、建物の形は東西に長い長方形が大吉、南北に長い長方形が小吉、正方形に近いのはほどほど、としています。
いずれも、大きな欠け込みがないのが条件です。大きくとも小さくとも、欠け込みはすべて凶相で、その場所の持つ意味が弱くなります。
また張り出しも、あまりに大きいと別の場所が欠け込みとなってしまいますので、注意が必要です。

これら色々な形、変形の中でも、最大凶とされるのが、三角形です。
三角形の土地、建物に住むと、家族の中に必ずノイローゼ、精神病、犯罪者を出し、一家の主は病弱で生活能力がなくなります。
これは、建物が吉相で敷地が三角形の場合にも当てはまりますし、反対であっても同じです。どちらかというと、土地の形の方が影響が大きくなります。

台形で土地面積に余裕のある場合は、土地に樹木を植える、家の建て方を工夫して、窓や張り出し、離れや倉庫を作る、などの方法も取れます。
しかしこの物件のように、最大凶とされる三角形が二つも合わさった形で、家も小さく土地に余裕がないとすると、全く打つ手がありません。部屋の形、窓の位置や向きなどを見る以前の問題です。


電磁波の恐怖

また、三角形の土地、建物の暗示する現象をさらに後押しするように、高圧線の鉄塔があります。
電磁波の、人体に及ぼす影響をご存じでしょうか。住宅の近くに、一本の高圧線が通っているだけでも、居住には不適切な量の電磁波が放射されています。私鉄の沿線近くでも、かなりの量になります。
電磁波の影響は、世界中ではっきり報告されています。リニアモーターカーが技術的には完成していながら、実用運転が遅れているのも、開発研究者が似たような身体的症状に犯されて、目下係争中だからです。
白血病、脳腫瘍、ガンその他もろもろの身体的疾病と、精神に及ぼす悪影響は、一本の高圧線であっても、特に成長期の子供にとっては致命的になります。この点については、インターネット上でもかなりの情報が検索できる筈です。
筆者などは一時この問題に凝ってしまい、安くもない電磁波メーターを買い込んで、電車の中まで持ち歩いて測っていました。相変わらず変なオバさんですけど。

一本の高圧線であっても、住むには適さない量の電磁波を発生していますし、パソコンから発生する程度でも、かなりの疲労を覚えさせるに十分です。その高圧線が集中する鉄塔の元でずっと暮らしていて、無事に済もうはずがありません。
奇しくも、電磁波のもたらす影響と、三角形の土地建物のもたらす影響が似ているのは、偶然の一致でしょうか。

三角形の建築物では新宿の住友ビルが有名ですが、このビルも昨今は、さまざまな事情からその危険性がささやかれ、住友生命本社じたいがこのビルから撤退して霞ヶ関に移転しています。
私が聞いた話では、大きな台風が来た時に、ビルじたいが完全にポッキリ真二つに折れるという予想がされているそうです。あくまでも、噂ですが。

もう少し、この問題の物件を見ますと、建物の北(坎宮)が「欠け」というより、全く存在しません。北東と北西も大きく欠け込んでいます。
人間の地力と健康を意味する北の方位が全く存在せず、さらに鋭角の三角形二つを併せた敷地では、この先どういう努力をしても、全く希望はありません。

じつはこの物件は、実際に鑑定依頼を受けたのですが、一目見るなりこの物件の鑑定で料金を頂くのが嫌になり、ただキャンセルをおすすめしてお返ししました。


ご注意!一戸建とマンションの違い

都内で住宅を購入するには、自ずと限界があると思います。
しかし、同じくらいの居住面積で一戸建とマンションを比べた場合、一戸建の方は家相的にマシなものを探すのは、非常に困難なようです。
マンションのほうは、悪くてもそれほど土地の影響を受けないので、鬼門の玄関はなるべく避けたり、使い方の工夫しだいで、多少改良の余地があります。

条件的に、同じ住宅面積ですと、一戸建てはワンフロアでなく二階建て、三階建てになります。
そうすると、一階の広さに対して、水場、玄関、階段の面積比重が非常に大きくなります。
家相では玄関と水場は欠け込みと見ます。それに車庫が加わりますと、一階にはほんの申し訳程度の居住面積しか残りません。
そして二階、三階が頭でっかちになり、古来嫌われている、「お神楽」という悪相になります。これは家運が傾く典型的な凶相です。もともとこれは、日本の木造建築を考えれば、二階が重いと困るというのは当然のことです。近代建築から見ると迷信もいいところのようですが、どうも風水とか気というものの働きは、そう単純ではないようです。風水を勉強すればするほど、古来言われていることが無視できなくなってくるのが不思議です。これは、地に根ざす一戸建ての場合、特に顕著になってきます。

ただ、そうなってくると、一般人に購入可能な一戸建てで、吉相を求めるのは非常に難しいということがお分かりでしょう。完全な注文住宅でもない限り、万全を期すのはなかなか大変です。

「それじゃあ、世間の人はほとんどぜーんぶ、不幸になるというのか?」という疑問が出てきます。リアクションが怖いですが、これはある意味では「イエス」です。
もちろん、小さな家の全部が凶相とは限りません。よく計画して建築すれば、小さな家でも吉相にすることはできます。
ただ、それほど豊かでもない庶民が、あまり早くから土地と一戸建てに執着を持つ必要はない、と筆者は思うのですが。
凶相の家を持ち、それに縛られて一生そこから出られない、なんて事になってしまうより、身軽に動けるようにしておいて、開運、発展の可能性に賭けるほうが、筆者は好きです。
まあこれは、他人がとやかく言うことではありませんので、好き好きですけれど。

風水の原典には「吉凶禍福は動より生ず」とあります。開運に一番効果のあるのは移転です。また、危険なのも移転です。
「動」というのは人との出会いも入ります。仏教ではタメになる出会いの人を「善智識」、タメにならない人を「悪知識」と言います。善智識の人は、あなたにとって都合の良い気休めばかり言ってくれるとは限りません。
真実を言われるのは、耳が痛いことが多いものです。この辺は自分で決めるしかありませんけれど。

本当に、一戸建てで吉相の家というのは少ないものです。
ですから、どうせキチンと計画した吉相の家が建てられないなら、筆者であれば一戸建てよりはアパート、マンションを選びます。その方が、風水学上は得策です。
その辺りの動き、特徴が、このサイトの鑑定依頼者の動きにも現れているような気がして、あえてこんな章を執筆しました。


稀有な吉相を発見

なんだか、一戸建派にとっては絶望的な話になりましたが、そんな中で筆者の近所に、吉相の家を発見しました。
間取り図を手に入れた訳ではないのですが、前を通りかかっただけで、周囲とは全く違う感じを受けます。豪邸ではなく木造で、築年数も経っているようですが、明らかに吉相です。

特徴は次の通りです。
一、敷地に対して、建築面積がわりあい小さめ。たぶん、7〜8室だと思います。周りがみんな、マンション用地に売り払って一儲けして、近代的な豪邸を建てた後にも、この家だけは変わらず、ここで生業を営んでおられるのでしょう。
一、南東の張り出し玄関です。ガレージも南東から東にあります。いまどき、張り出しの玄関というのは、非常に珍しいものです。新築のほとんどの家が、玄関を刳り貫いた形に作ってあります。土地ギリギリなので、どうしてもそうなるのでしょう。
一、一階の面積に対して、二階がかなり小さい。いまどき、風水の知識がなくて、こんな建て方をする人はあまりありません。一階の面積の半分以下のようです。

さらに、よく手入れされた樹木が庭のあちこちにあります。木の種類も吟味されているようです。
あと、細かく観察するといろいろありますが、この家は前を通りかかると、時々忙しげにいろんな人が出入りしています。チラッと見えた時には、じつによく床が磨きこまれていました。
何のご商売かというと、いまどき珍しい助産婦さんの家でした。こんな助産婦さんに取り上げて貰う子は、きっと自然分娩で、スクスク育つことでしょう。

すぐ斜め前の別の家がちょうど改築中なのですが、隣の家に窓から手を突っ込めそうなほどギリギリに、小さな三階建てを建てている最中です。
一階の半分近くが車庫で、二本の柱の上に、重そうに二階と三階が乗っかっています。重い物でも置いたら、柱がもつかしらって感じ。
この前、夜中にこの前を通りかかったら、隣のお爺さんが気違いじみた声で罵りながら、この普請中の家に、大きな石を投げ込んでいました。スゴイ……。タオの作り話じゃないです、本当に。

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