この章は、風水の中でも、一番中枢的な章の一つになります。
もっとも、風水では段階を経て理解しなければ、どこが一つ欠けても致命的と言っていいくらいですが、五行の相生、相克というのは、風水のイロハです。
これを間違えたり、いちいち表を見るようでは、次の段階を理解するのは覚束無いことですので、この章は、必ずしっかり覚えて下さい。その前に、十干、十二支の読み方も、必ず熟読してくださいね。
前の章でも解説しましたが、五行の相生、相克の図があります。これをもう一度見て下さい。この相生、相克の覚え方は次のようにして下さい。
まず覚える順序は、「もく・か・ど・ごん・すい」の順です。
◆木は水で育ち、燃えて火となる。
◆火は木が燃えて生じ、灰(土)を生じる。
◆土は火が燃えて生じ、土中には金属を生じる。
◆金は土中から生じ、冷えて表面に水滴を生じる。
◆水は金属の表面に生じ、草木を育てる。
◆木は金属(斧)で倒されるが、土中から養分を奪う。
◆火は水で消されるが、金属を溶かす。
◆土は木に養分を奪われるが、水を濁す。
◆金は火に溶かされるが、木を切り倒す。
◆水は土に濁されるが、火を消す。
丸い相生表、星形の相克表と見合わせながら納得しましたか。
つまりこの表には、単なる相性の善し悪しではなく、損得も含まれているのです。
というとちょっとイヤらしいですが、同じ「相生関係=助け合う関係」と言っても、助ける方と助けられる方があるというわけです。
最初の「木」は水分を貰って大きく育ちますが、燃えて火を生じる代わりに自分は灰となってしまいます。つまり「木性は水性から助けられ、火性を助ける」というわけです。
今度は、火性の相克関係を見てみましょう。
火は水で消されて消滅しますが、金属には打ち勝ちます。
喧嘩をしても、勝つ方か負ける方か。または仲良くしていても、もらう方かあげる方か、という訳です。誰ですか、いつももらう方になりたい、と言ってるのは?ちょっとこじつけ気味ですが、一番覚え易い方法なのでよく使われます。
この関係を一覧にしたのが、下の表です。上の丸型、星形でも、下の表でも、覚え易い方で覚えて下さい。
実は、筆者の風水暦は、これを点数化したものが下敷きになっています。単純に「相生だから吉、相克だから凶」というわけではなく、相性関係によって、吉凶の度合いに差があるのです。(ただし、点数については公開しません。筆者も研究中のことですので)
これは、その時その方位に回って来た九星との相性ばかりでなく、定位盤との相性も関係してきて、なかなか一筋縄ではいきません。
右=相性 下=本命星 |
生気 (助けられる星) |
退気 (助ける星) |
比和 (友達関係) |
死気 (克す星) |
殺気 (克される星) |
一白水星 | 七赤金星 六白金星 |
三碧木星 四緑木星 |
なし | 九紫火星 | 二黒土星 八白土星 |
二黒土星 | 九紫火星 | 六白金星 七赤金星 |
八白土星 | 一白水星 | 三碧木星 四緑木星 |
三碧木星 | 一白水星 | 九紫火星 | 四緑木星 | 二黒土星 八白土星 |
六白金星 七赤金星 |
四緑木星 | 一白水星 | 九紫火星 | 三碧木星 | 二黒土星 八白土星 |
六白金星 七赤金星 |
五黄土星 | 九紫火星 | 六白金星 七赤金星 |
二黒土星 八白土星 |
一白水星 | 三碧木星 四緑木星 |
六白金星 | 二黒土星 八白土星 |
一白水星 | 七赤金星 | 三碧木星 四緑木星 |
九紫火星 |
七赤金星 | 二黒土星 八白土星 |
一白水星 | 六白金星 | 三碧木星 四緑木星 |
九紫火星 |
八白土星 | 九紫火星 | 六白金星 七赤金星 |
二黒土星 | 一白水星 | 三碧木星 四緑木星 |
九紫火星 | 三碧木星 四緑木星 |
二黒土星 八白土星 |
なし | 六白金星 七赤金星 |
一白水星 |
註・この表では五黄土星は全ての星にとって凶なので入っていません。あえて欄を作るとすれば、自刑(自分で自分を傷つける)とでもなります。
「もく・か・ど・ごん・すい」の五行それぞれには、陰と陽があります。5×2で十干になります。
前にも解説したとおり、陽が「兄」、陰が「妹」で「えと」です。陽が男性原理、陰が女性原理を表します。ちなみに、名前の項で触れましたが、女性に「ひかる」「てる」という名をつけてはいけないというのは、「光り、照り、輝く」というのは男性原理を表し、女性にとっては逆名になるからです。なんで女性が輝いちゃいけないんだ、と文句を言われても、筆者の責任ではありませんので。
さて、この十干にはそれぞれ独特の性質があります。これは、人間の性格、素質を見る場合にも応用できます。
東洋運命学では、個人の運命を四柱で判断します。四柱とはすなわち、年・月・日・時であり、これはその五行、十二支の配合によって、互いに引き合ったり反発し合ったりして、力の強弱を決定します。中でも、日柱の天干(てんかん・丙子の日に生まれていたら丙が天干となる)で、ズバリその人の素質、性格を見ることができます。
もちろん、性格や運勢というものはそれほど単純なものではありませんが、天干ではかなりの部分、その人の特徴を見ることができます。
次に、それぞれの持つ性質と性格的特徴を述べます。
甲(陽木)……そそり立つ大木、切り出して用材となる木を意味します。人間では多くの人を統率して事を押し進めるリーダー的な役割の人を意味します。思慮深く質実剛健で、多くの人の信頼を勝ち得ます。
乙(陰木)……美しい草花を意味します。人間では慎み深く遠慮がちに見え繊細ですが、内面はたいへん辛抱強く、物事に執着強く、保守的な人をあらわします。
丙(陽火)……照り輝く太陽の火を意味します。人間では陽気で情熱的、快活で華やかな人を意味しますが、反面持久力に欠け、表面的な成功に終わりがちな面もあります。
丁(陰火)……囲炉裏や焚き火など、人間が使用する火にあたります。人間では、外面は柔和で物静かでも、内には鋭敏な知性を秘め、思慮に優れた人を表します。
戊(陽土)……山や堤防など、動かない土を意味します。人間にあてはめると、社交性に富みどっしりとした貫禄のある人をあらわします。その反面、外見を飾ったり、自信過剰になりがちです。
己(陰土)……田園の湿土を意味します。人間では細心で規律正しく経済観念に富んでいますが、やや度量が小さく、猜疑心の強さがあります。
庚(陽金)……刃物、刀剣、鉱物などの金属を表し、人間では世渡り上手で小才の利く人を表します。手腕がありますが、やや物質万能主義になりがちです。
辛(陰金)……珠玉、宝石、砂金などを意味します。人間では強情で物事にこだわり、我が強いのですが、万難を廃してものごとを成し遂げる人を意味します。批判力が旺盛です。
壬(陽水)……ゆったりと流れる大河の水を意味します。人間では、黄河の水のように清濁併せ呑む度量のある人を指しますが、反面依頼心が強く、成り行きまかせのようなところもあります。
癸(陰水)……雨露の水を意味します。人間では、正直で潔癖、勤勉で研究心が旺盛で、自力で道を切り開いていくような人を表します。
あなたの日干は何だったでしょうか?分からない方は、もう一度空亡表のページで、自分の日干を調べて参考にして下さい。
その人の性格は、その命式の強弱によって良い意味が現れたり、悪い意味が現れたりしますが、大まかな傾向は、ほぼ同じです。
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