みんなの風水:目次

龍と神気を見る



事業所の特性

事業所の良し悪しを風水的に判断する場合、机の配置とか、インテリアの色などを、非常に気にする方があります。
これは、あながち間違いというわけではないのですが、どちらかというと、近年流行の、インテリア占いから派生した風水もどきであって、本来の風水原理を忘れて細部にこだわった、本末転倒のただの占い・遊びの類と思ったほうがよいでしょう。
致命的に大きな欠陥のある場所に、カーテンの色を変えたり花を飾ったりと姑息な手段を取っても、大きなマイナスはカバーできません。まず、本来の風水とは、何をもって判断するのかを見てゆきたいと思います。

その前に、事務所・店舗を、住宅と全く同じように考える方がありますが、実際には少し違います。
もちろん、事業所と住宅で、方位本来の意味が変わるわけではありませんが、寝泊りする住宅の場合には水場(風呂・トイレ・洗面所)と玄関の位置に最重要ポイントを置きます。
しかし、他人が一緒に机を並べて仕事をしたり、多くの人と物の流通する事業所においては、水場の位置はそれほど重要ではありません。業種と社内の役割によって、それぞれが各自に適した方位に位置するように考える方がベターです。

これはなぜかといいますと、土地、場所、建物、物品にはそれぞれ個人の「気」が下りて、その持ち主と同じように生命を持つという考え方から来ています。
小さな品物一つにも持ち主の「気」が宿るのですから、個人の住宅には全体に、住む人の「気」が行き渡っています。ですから本来、家の中に他人を入れるのは、あまり好ましいことではないのです。
そのため、よくお客のある家では、自然とお客を入れる部分と、お客を立ち入らせない部分とに分かれてくるようです。もし、そうしていないのでしたら、すぐにそういう風に使い方を変えるか、無理でしたら家に迎え入れるのは、なるべく家族同様の親しい人だけにするべきです。

一方事業所の方は、最初から多くの人の気が入り乱れていますので、なかなか個人の「気」が下りることがありません。また物品にしてもビジネスのために置いてあるものですから、執着も生まれにくいものです。こういう構造では、人や物の出入りのしかた、流れが一番重要になります。それも、業種によって異なってきます。


立地ということの意味

それでは、一番最初に事業所のどういう点を見るのでしょうか。
第一に、その事業所のある場所がどこなのか、見てください。
澄んだ湖のほとりに建っていますか?若者の集う、活気に溢れる繁華街のど真ん中ですか?それとも、お墓を取り壊した跡ではありませんか?オフィス街の、倒産企業ばかり並ぶ通りにはありませんか?まさか、平将門の首塚の見えるビルの中ということはないでしょうね?

これは、風水では「律呂の神気を見る」といいます。
「律」とはプラスエネルギー、「呂」はマイナスエネルギーのことです。その土地全体が良い気に満ちているか、悪い気に満ちているか、ということです。

これは専門的な知識がなくとも、ぱっと見た感じを大切にすればよいでしょう。何となく暗い、嫌な感じがしたら避けた方が無難ですが、なかなか自分で判断がつかない場合は、社会経験が豊かで、なるべく利害関係のない人に一度見てもらうというのが良いでしょう。もちろん、ある程度土地鑑がないと困りますが。

次に、土地の起伏、流れがあります。この、起伏と流れのことを、風水では龍と呼びます。
風水でいう立地とは、主にこの二つを指します。律呂の神気の方は、マイナスでは困りますが、龍の方は業種と扱う商品によって多少違います。
一般的に、平らな地形の場所、東京でいえば墨田や浅草あたりは、庶民的、大衆的で、衣食住に直接かかわりの深い業種が向いています。価格もとにかく安い、実用品一点張りです。

反対に起伏の多いところ、たとえば青山、赤坂、六本木あたりは、流行の先端を行く商品、高級ブランドや企画力で売る業種が合っています。
かりに台東区と全く同じ商品を置いても、値段を高くしないと売れません。


「向き」で決まる事業運

その次が入居する建物の形、自分で使用するオフィスの間取りです。
この場合、ビルの向き、つまり出入り口が一番問題です。
どんな業種であっても、住宅の場合も、出入り口に一番相応しいのは、中心から見て南東の出入り口です。南東六十度(巽宮)の範囲に出入り口のあるビルには、世間に信用の厚い、堅実に繁栄する企業が集まることになります。
次に中吉が東、南。小吉が北西、北です。
西は金銭の出入りが多くて倒産、破産を招くことが多いので避けます。

一方、北東と南西を結ぶ線は死線と言われ、最も避けなければならない方位です。特に北東は鬼門であり、アクシデントがつきものです。いくら努力しても報われず、ついには思いもよらぬことから会社を畳んで出てゆくことになりやすいでしょう。

ビルの中で、数か所ある中の一室を選んで入居する際には、やはりビルの中心から見て、南東六十度の場所になる部屋が最高です。その部屋の出入り口じたいも南東にあればいうことはありませんが、なかなかそうはいかないでしょうから、全部の条件が揃わなくとも、どれか良い条件があって、北東にかからなければ差し支えないでしょう。

最後に、ビルじたいが極端に変形していないことが条件になります。
都会では角地や狭い土地に建つビルの場合、大きく欠け込んでいたり、三角形の建物があります。これは大凶です。土地が三角形なのも大凶です。
三角形の土地や建物は、従業員の中に精神的ダメージを蒙る者が出てきます。これが会社にとっても致命傷となります。
以上が、立地ということの基本的考え方です。
特に、神気の方は一般の方は軽く考えがちですが、非常に恐ろしいものです。
悪い気の満ちた場所に住んでいたり、仕事をしていると、少々の努力をしても財産ができるどころか、恐ろしい災難に見まわれることにもなります。吉方に越してきたはずなのに、そこに来てからなにかおかしな事態が続くという方は、もう一度、自分の周りを見渡してみましょう。

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