みんなの風水:目次

空間の魔力を知る


応対術のルーツ

毎日忙しい業務に明け暮れるビジネスマンの方にとっては、やれ風水の気の流れがどうした、家の輪郭がどうした、などと悠長な事を言っているヒマはない、と思われるのが本音でしょう。
風水学の体系的知識は大切なことですが、それはおいおい身につけていただくとして、このコーナーでは、短期決戦ですぐ実戦に使える知識を中心に、紹介してゆきます。そこでいきなり、応対術から入ります。

応対術というのは、もともと中国で、戦国時代に編み出されたものです。現代では、心理学とか潜在意識理論などの分野でもいろんなことが言われますが、中国で生まれたそれは、もともとひどく血生臭い歴史に彩られたものなのです。
三国志などで知られる古代中国の戦争というのは、それは激しいもので、いったん戦争が始まって勝敗が決しますと、敗れた方は一族郎党一家皆殺しという、それは残酷なものでした。そのくらい徹底しないと、「まだ子供だから」などと中途半端に情をかけたが為に、ゆくゆくは寝首をかかれる羽目に陥る、などということがあるわけです。
いったん戦争が始まったら、必ずこういう結末を迎えるわけですから、両国ともできればギリギリまで、戦争に突入するのは差し控えたい。
そこで両者あいまみえて和平交渉ということになるわけですが、そこはもちろん、両者の利害関係を綿密に計算しながら、少しでも我が国に有利にことを運びたい。その為には、あの手この手、使える手段は何でも使おうというわけで、表面は友好的にニコニコしていても、裏ではシビアに計算しながら、交渉が進められるわけです。


二種類の空間

理の空間

交渉の基本を、二人の人間が向かい合って行うのだと仮定しましょう。
実際は部屋の作り、テーブルの位置、目上、目下の別、第三者の存在などいろんな条件が重なり合いますが、二人の接し方という点にポイントをおきますと、いろんな座り方があります。
それらの座り方の中でも、一番大きな違いは、二人が正面から向き合って座るか、それとも斜めになって座るか、という違いです。
たったこれだけ、という気もするようですが、不思議なことに、生きた人間と人間が向き合うその間の空間には、一種独特の力が生まれます。
この力の性質をきっちり認識するとしないとでは、大きな差が出てしまうのです。

まず、相手と真っすぐ正面から向かい合う場合
これは理の空間です。
この座り方をしますと、どちらかというと論理性が強くなり、理屈っぽい同士だと口論になってしまう確率も高くなります。
お互いに、ああ言えばこう言う、なるほど理屈は理屈だがどうも面白くない、それならこちらも、言うだけのことは言ってやろう、ということになり、両者が互いに自分の主張を押しつけあい、(本当はこんな筈じゃなかったのに)ということにもなりがちです。


情の空間

もう一つは、情の空間というのがあります。
これは正面でなく、相手と斜めになって座った場合です。
この場合、両者の間にやや微妙な情緒性が醸し出され、通りにくいことも案外スンナリいくようになります。

斜めといっても相手を自分の右斜め前に置くケースと、左斜め前に置くケースがあります。
真っ直ぐ向かい合っているものを、そのまま左右どちらかにずらすと、二人のどちら側から見ても同じ位置関係になってしまう訳ですが、右斜め前はどちらかというとそれほど情緒性は強くなく、取引、交渉に向きます。

一方、左斜め前は相手とぐっと親密になりたい場合に良いでしょう。



心臓を捉まれるな

もし、二人の人間が真横に並ぶ場合は、断然左側の人が主導権を握ることになります。
なぜかといいますと、人間は心臓が左にある関係上、左側からの影響を受けやすく、左側にいる人に動かされやすくなるからです。
そのため、自分の信頼する人が左側にいてくれればいいのですが、油断のならない人がいると警戒心が働いて、何となく落ち着かなくなり、物事に集中できなくなり、思わぬミスにもつながりがちです。

この原則は、いろんなところに生かせます。その一つに中国拳法があります。
太極拳でも形意拳でも八卦掌でも、やってみたことのある方はご存じでしょうが、体の左右の特性を生かし、技を右と左で実にうまく使い分けます。ただし、自分の体のほうにもかなりな反動があります。これは、健康体操としてのそれではなく、組手をやってみるといっそうよく分かります。
空手は、おおむね左右同じく練習をするようですが、やはり右利きの人は右の方が上手なので、結局釣り合いが取れるといったところでしょうか。必殺武術としての中国拳法と、武道としての普及をめざした空手の違いかもしれません。
一方、日本の道路規則「車は左、人は右」というのは、本来の人間の習性とは馴染まないことになります。道路で右側を歩いていますと、心臓側がむき出しになるので、潜在意識中では何となく落ち着かなくなりイライラしているため、咄嗟の場合に正常な判断を欠きがちなのです。
歩行者も運転者もこのことを十分意識して、道路上ではいつも自分にブレーキをかけておく注意が必要です。


フラレがちの君にも

こんなタイプ、どう?

またこの原理を知っていると、デートにも生かせます。
同性どうしが真横に並ぶ場合は、断然左の方が有利なのは当然ですが、異性の場合にはそこはうまく出来ています。
本来、男性は能動性を特徴とし、女性は受動的な存在ですから、主導権を握るのが女性だったらおかしいでしょう。最近はそういうケースも多いようですが、言われなくとも、「今日はどこそこに行ってコレをしようよ」、と男性がしっかりリードするのが人間の自然な姿でしょう。
彼女と会っても漫然と会わずに、この辺の原則をしっかり踏まえて、自分がどうしたいのか、はっきりした意識を持って接すれば、案外うまくいくかもしれません。

逆にこれを読んだ方の間で、場所の争奪戦が起こったら笑ってしまいますが、そこは早い者勝ちです。熱心に風水の勉強をして下さい。
古典的な例ですが、宮本武蔵と佐々木小次郎の巌流島決戦でも、宮本武蔵の方が位置関係を利用して戦いを有利に運んだわけで、これも天地自然の法則、風水原理の利用例の一つといえます。
会社の応接室などでも、一見相手に失礼にならないように、しかし本当はこちらに有利、というセッティングも、工夫しだいで可能な筈です。
この方法は、部屋の作りによって複雑な要素が絡みあいますので、次の章で紹介します。
一つの部屋の中で、どういう位置が最も有利か、というテーマです。

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