敷金返還問題 | 引越しのチップ | 風水的ないろいろ |
掃除が終わる頃を見計らって、前の部屋のオーナーや不動産業者に連絡し、鍵を返して正式に引渡しします。ここはなかなか微妙で、一番トラブルの発生しやすい場面です。まずここをクリアしないと、安心して新生活に移行できません。
まだその日は鍵を返しただけで、どれだけの返還または請求が来るかは、後日になります。返還される場合も、後日銀行振り込みの場合が多いので落ち着いて対処しましょう。
問題は敷金が戻ってくるか否かですが、オーナーや業者によってひどく差があります。
敷金返金の前提で、特に壊した箇所の修理費だけは借主負担、クリーニング料金は折半などの良心的な対応をしてくれる場合もありますが、なかなかそうはいかないのが現状です。中には、途方もない金額の修理費を要求してくる家主もあります。
もともと、入居時に「これこれの敷金を頂きますが、退出の際にはこれこれの修理をしますので、まず敷金はお返しできません。」と言う場合もあります。
一般的に、面積が狭くて敷金を3ヶ月分ほど入れている場合は、少々リフォームしても一部返金分が残る場合もありますが、面積がある程度広く、例えば3DK全部がカーペットでそれを全部取り替えた場合は、まず敷金は戻って来ない計算になるということです。
これは賃貸契約の「原状回復義務」という問題になりますが、どこまでを現状復帰と見るのか、まちまちです。
何年か住んだら内装も少し古びてくるのは当たり前で、こういう経年劣化を新品に取り替える費用を全面的に借主が負担するのは、おかしなことです。
こういう風潮というのは昔からのことで、家主や業者によって非常に差があるのが現実です。常識的な使い方をしていて特に過失や故意で壊した部分がない限り、不当な請求とは戦って良いと思います。
しかし…ですね、相手も人間ですからここが大切なところで、明け渡すといっても、ガラクタやゴミが置きっぱなしだったり、隅のほうに埃が積もった状態だと、無神経な使い方をしたのだろう、とチェックも厳しくなります。
反対にすごく優しくて丁寧で、あんまり怒りもせず意見も主張しなさそうに見えると、これも軽く見られて、いい様に請求されてしまったりします。もちろん、そういう主観によって変わるのは良くないことですが、常識の範囲以上に汚したか傷つけたか?例えば少し擦り傷がついていたり、壁紙が少し黒ずんでいたら、それを単なる経年劣化と見るか特に汚したと見るかは微妙です。
掃除をきちんとしてから明け渡すというのは、相手がきちんと正当な対応をしてくれるように、自分の方にも隙を作らないようにしよう、という話です。
この「原状回復義務」は、借主の責任で破損したぶんは敷金から差し引かれるが、当たり前の使用をしていて自然に消耗したぶんは借主が負担する義務はない、というのが大勢になっているようです。しかし一方で、「契約書に特約で【自然消耗ぶんも借主が負担する】と書いてある場合は負担しなければならない」という話があるのも、また事を複雑にしています。
このように、基準が曖昧な事ですし、難しいのは明け渡した後でないと交渉ができないことで、揉めるも揉めないも家主や管理会社次第です。
しかし借主側としては、敷金が全額戻って来ないと困る、という状況を作らないのも、防衛策の一つでしょう。最初から諦めて、長く住んでいたならば原状回復費用が敷金を上回らなければ良い、ぐらいに考えておけば気が楽ではないでしょうか。
ろくろく掃除もしないで明け渡して、敷金が全額戻らないからと喧嘩ごしで交渉し、相手も意固地になって更に傷ついた箇所を探して請求してきた、などという泥沼だけは避けたいものです。
しかし、借家人の弱い立場を利用して、とんでもなく不当な要求をふっかける家主が居るのも現実です。そういう場合は、いったん以下のガイドラインをプリントして、「敷金返還に関しては、ここに公的な資料がありますので、このガイドラインに添って精算していただきたいのですが」と告げてみましょう。
敷金トラブルが余りに多いので、敷金返還を仕事にする業者も増えたようで、そういうところに相談してみるのも良いでしょう。第三者が入った時点で急に状況が変わる場合もあります。
なるべく事を荒立てないほうが好ましいとは思いますが、本当に不当な要求をしてくる相手もあるので、冷静に対処できるように、心構えだけはしておくべきです。
国土交通省でもガイドラインを出していますが、引越し直後にはプリントできないと思いますので、先にプリントしておくことをお勧めします。
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(再改訂版)
国土交通省 住宅局 住宅総合整備課・マンション管理対策室
敷金ゼロ物件は:「敷金0」の物件が時々あるようですが、これも考え方次第です。敷金0でも原状回復費用は実費で払うわけですから、先に担保を入れるか入れないかの違いだけです。
敷金があれば余分に請求されてしまうのではないか?逆に敷金を入れておいたほうが、出る時に持ち出しが少なくて楽か?どう考えるか、の違いでしょう。
原状の証拠写真:退去時の原状回復問題ですが、中古物件に入居した場合、最初からある程度の傷がついている場合があります。万が一、このぶんまで弁償させられてしまうのではないか、という心配がある場合は、写真を撮っておく方法があります。管理会社立会いの元に撮影して、お互いに一枚づつ保管しておけば、いちおう安心です。
しかしこの方法も、有効な時もあれば有効でない時もあります。引越しに慣れてくると、トラブルになりそうな時は最初から何となく分かるものなので、さりげなく「写真撮っておいていいですか?そうすれば後で誤解もなく、お互いに気持がいいですよね」とスマートにやって下さい。
しかし、入居審査の章で述べたように、地域に密着して地道に経営しているような業者の場合、一方的にこのようなせせこましい対応をすると、かえって相手を信頼していないと受け取られる場合もあるでしょう。(せっかく親身になって探して大家さんに交渉してあげたのに、すごくセコイ失礼なことするねー…)という、感情論にもなりかねません。
入居審査もその後のいろんな対応も、人間のすることですので、傷だらけなのも案外大雑把なだけで、それほど気にする必要はないのかもしれません。あんまり奇麗な物件でないから、証明書の怪しい人にも貸してくれるのかもしれませんし。
公務員・大企業サラリーマン限定の物件に入居してきっちりやるならいざ知らず、肩書きに頼れない人が不動産屋さんの人間性に頼って入居交渉する場合は、ある程度は運任せになるのは致し方のない面もあり、臨機応変に、ということです。
入居時、退出時の交渉の曖昧さは、ある意味で人間の本質の一端を見る勉強だと思ってみるのはどうでしょうか。
全く念頭にない方があるかもしれませんが、引越し業界には「ご祝儀」を兼ねたチップの習慣があります。近年では「チップ受け取り禁止」を徹底させている会社もありますが、まだまだこの慣習は無くなっていません。
あくまでも筆者個人の意見ですが、引越しはきつい仕事であり、かつサービス業です。サービス業という観点から考えると、あっても良いのではないかと思います。しかしきちんとお給料は出ているのですから、必ずしも払う義務はありません。
筆者の学生時代は、男友達は金欠病になると引越し屋さんに日雇いのバイトに行っていました。それは、とってもきついけれど、チップがあるからだそうです。しかし3日も行くと、疲れきって動けなくなっていました。
だからというわけではないのですが、筆者のように何度も引越しをしており、しかも大量の本や機械類を所持していると、引越しはとても大変なのがよく分かります。なので、引越し屋さんの仕事ぶりには、とても注意を払います。そして彼らは、本当にきつい仕事のプロだと思います。業者による違いも注意深く見ます。なので、筆者は必ずチップを用意します。けっこうそれが楽しみです。
引越しの時は、業者にお金を払って依頼しているだけでなく、自分と引越し屋さんのチームワークの仕事だと思います。実際にやってみると、引越し作業はモノの販売業や事務とは違い、本当に自分の為に体を張って汗水流して働いてもらう作業です。大事な家財道具を預けるのですから、決して無駄な出費だとは思いません。
どういう出し方をするかというと、あらかじめポチ袋に人数ぶんだけ(作業員の人数は指定してありますが、たまに手が空いてる人が余分に来る場合もあったので、少し余分に)千円札を畳んで入れておきます。大所帯ではないので、普通だと千円、今回は少し大変だったかなー、と思う時は二千円ぐらい。
そしてタイミングを見計らって、何人か回りに作業員が居る時に、代表者にまとめて渡します。このタイミングはいろいろ意見もあるようですが、筆者の場合は、作業がだいたい終わった頃に渡すことが多いです。
まとめて渡すのは、あちこち作業員が散らばっているので一人一人探し回るのも面倒だし、何となく恩着せがましい感じがするからです。
何人か居る時に…というのは、ある業者の時に、たぶん代表者がチップの件で他の作業員に信用されていないのではないか…つまり○ババを働いたことがあるのではないか、という感触を持ったからです。
一人分づつ袋に入れるのは、あくまでもご祝儀ですし、まとまった金額を渡してどっかで両替してくれってのも、不親切で相手は面倒ですよね。
筆者が最後に渡す理由は、幾つかあります。基本的に日本はチップ社会ではないので、「チップを貰えたからよく働く」というのは、筋ではないと思います。
また、客の立場の自分自身も、先に渡してしまうと「チップあげるから良くしてね」という催促になってしまい、何となく嫌らしい感じがするのが好きではありません。
もう一つの大きな理由として、最近はチップは頂きません、とサイト上にはっきりと書いてある会社が多くなっています。これはやはり、チップを貰えるからサービスよくする、というのでは料金体系が崩れてしまうし、チップのことなど念頭にない客に対応が悪くなってしまう怖れがあるからではないでしょうか。
最後に渡すのは「ご苦労様でした」というねぎらいの意味ですので、貰う側からしても、先に出されると型どおり断るけれど、最後に出されると素直に嬉しい、という話もあります。
「先に渡したほうがサービスがよくなるから先に出すべきだ」、という意見もあるようですが…これは何とも言えません。
もちろん、難しい仕事が出てきて、それを頼んだりする場合には、「チップはずむから頼むね」という裏技もアリだと思います。
これはあくまでも、筆者の考えであり好みです。ですが、かなり疑問を持たれる方もあるようなので、述べてみました。もちろん、個人の考えで良いと思いますし、
方違えは有効か?:凶方へ移転することになった場合、「方違えをして凶でなくしたい」という意見がありますが、基本的に方違えというものはありません。いったんどこかに短期間引越してから、吉方になるようにして新居に越す、という方法は、厳密にいうと方違えではなく、二度引っ越するということです。
いったんどこかへきちんと引越してから、一定期間が経ち、きちんと自分の生活の根城がそこに定着した後でないと、次の引越しを考えるべきではありません。最初から仮住まいという生活のしかたで、行ったり来たりというのはことを複雑にするだけです。
この点に関しては、ケースバイケースなので、どうするかをここで完璧には書けませんが、基本的に「方違え」「仮住まい」という方法はお勧めしません。
引越しの時期と方位:これはこのサイトの専門でもありますので、風水暦や通信鑑定を利用して、予定を立てておられる方が多いと思います。しかしたまに、タイミングの悪い方というのはあるもので、何故かギリギリで急いで動こうとして、結局は間に合わなかったり、引越しの方位もわざわざギリギリの線上を選んでみたり、という方が後を絶ちません。
聞いてみると、本当に止むを得ない事情があったわけではなく、妙に考えすぎたり選びすぎたりして、結局は悪い選択をしてしまうケースの方が多いようです。最初の章で述べたように、動く時は迷わず動くことも大切です。空亡期の引越しがよくないかどうか、というのも、このへんの判断が狂いやすくなる傾向があるからです。
物件を決めてしまってから方位が悪かった、ということのないように、きちんと計画を立てるようにして下さい。
物件は一つあれば良い:よく、「物件を探していますが、数が少なくて不安です」という声を聞きます。これは、少し違うと思います。物件の多い地域と少ない地域というのはありますが、実際には不動産というのは縁のもので、どんなに物件数の多い地域でも、縁のない方には良い物件はなかなか探せません。一方、物件の少なそうな地域でも、探せる方は探せます。
これは偶然ではなく、その人の目に見えない実力のようなものです。
物件が多かろうが少なかろうが、実際にはたった一つだけ見つかれば良いのです。下調べをしてよりどり見どりと思っても、中途半端なものばかりでは、意味がありません。
焦らずに、腹を据えて下さい。不動産イコール、人間力です。変に細かいことを気にしたり、欲ばったりせずに、今の自分が出会える物件で、精一杯に生活を構築していこう、という気持になれれば、また違った展開も出てくるでしょう。
姑息な手段を使わない:何かの都合で吉方位に越せなかった場合、あまり無理に辻褄あわせをしないことです。引越しはちゃんと、引越しの手順を踏まえて、生活の根城を移動するのが引越しです。
「寝泊りし始めた日が引越しの日」というのは原則ではありますが、こういう知識が先行し過ぎて、布団だけ運んで節入り時間ギリギリに家に入るなどは、無理を通り越して姑息な手段の域に入る場合もあるようです。
荷物は関係ないというのは原則ですが、荷物を運んでいなければ引越しを完了していないので、行き来もありますし、完全に生活の根城を移すことができません。
そういう変則的な手段を使わずに、正攻法でゆきましょう。
タオの風水学教室TOP|サイトマップ | 関連項目:基礎講座|実践風水学 | ||
現在このサイト内にいる人は | 人です♪ | ||
Copyright (C) TAO AllRightsReserved. http://www.kumokiri.net/ |