実践風水学講座:目次

物件選び・初歩の初歩 その1


引越しする事になったら

世間では年に2回、春と秋に移動シーズンがあります。やむを得ず、そういう時期に引っ越す場合もあるでしょう。しかし、特に転勤などの事情がなくても、引っ越しする場合はありますね。
人にもよりますが、移動の星を持っている人があります。筆者などもその傾向があって、四柱推命にも姓名判断にも出ていますが、実際、数年ごとに引っ越しするような事情になるようです。
思い立ったらすぐ動いてしまう傾向があるからでもありますが、しかし引越しは大変ですね。
それでも、一番の気分転換にもなり、運気転換の契機になるのは移転です。

単純な話が、同じ家にずっと住んでいて、家具の裏側や棚の一枚一枚、並べた本の隙間まで否応なしに掃除できるチャンスはそうありませんし、不徹底になりがちです。
ドッと引越しすると、否が応でも粗大ゴミは減りますし、心機一転の出直しにもなります。周囲の環境も変わりますし、生活のしかたも変わります。

しかしまた、一筋縄ではいかないのが引越しで、移転の方位やら物件探しはもとより、金策やら片づけやら諸手続きやら、家族会議やら何やらかにやら…、
自分がいいと言っても周りがウンと言わなかったり、もうパニクる人も少なくないでしょう。それでも、賃貸ならばまだいいですが、一生に一度の買い物とばかりに張り切ってしまうと、それがストレスと重荷になり、平常心でいられる人はなかなか少ないようです。

このサイトは、ネット利用者が首都圏に集中しており、その人達を対象にしている為、どうしても集合住宅の比重のほうが多くなります。一戸建てを計画するよりも、アパート・マンションの方が手っ取り早いのですが、それでもやはり、物件選びは難物なようです。

ただし最近は、ネットが生活に浸透して、昔の移転とは情報の伝達の仕方が、かなり変わってきています。そこで、自分の経験を交えながら、ほんの少し、物件選びについて書いてみたいと思います。

ネット時代になって、ほんとに物件探しは楽になりました。このサイトの立ち上げは1998〜1999年のことですが、その時はまだサイトも少なく、ネットショッピングも珍しい時代でした。
その時期はまだ、足で不動産屋を歩くしかなく、物件情報や相場の把握も今一つ不足で、気に入った物件に出会えるかどうかは、不動産屋まかせ、運まかせと言って良い状況でした。


人間のすることは同じ…

ところが、いくら不動産業界のデジタル化が進んでも、やはり、最後の最後のところは、人間のする仕事です。一例として次のようなことがあります。

1、入居審査

購入の場合は、極端な話がお金さえ払えば、服や自動車を買うのと同じなので、ローン審査はまた別の話です。

賃貸しのほうは、大きな財産を人に貸すわけですから、入居審査というのがあります。
昔はこの入居審査でいろいろ問題が出る場合もあったのですが、社会的な差別は、だいぶ法整備が進んだような気もします。
しかし実質的な基準は、昔と変わっていないと思っておいたほうが良いと思います。むしろ、マニュアル通りに審査する会社だと、融通が利かないぶん、かえって難しくなっているかもしれません。
特に、海外赴任の為のリロケーションという物件は、ハードルが高いことが多いようです。審査も厳しいですし、契約更新可となっていても、2年ごとに更新するか引越しか?と選択を迫られるのはかなり厳しいと思います。このあたりの話は、当サイトのみんなの風水学〜一人暮らしをご参照下さい。

2、不動産屋の体質

地元密着型で長く会社を運営している不動産屋が、審査は実質を見ており、肩書きはあまり問題にしない、という状況も変わらないようです。借りる側の人は名の売れた会社に勤めていなくとも、勤続年数が一番問題なようです。ただしやはり、自営は厳しいようです。曲りなりにでもどこか会社に所属していないと難しい、というのは変わりません。
一方、大手チェーンの場合は、一定の条件を満たせば、あんまり個人的な思惑が入って来ないという利点があります。保証人も少子高齢化の時代を反映して、保障会社を使うことが多くなったようですが、これも一定の手順がある為、そこから外れるとかえって難しくなる傾向があります。
どっちに転んでも、まさに不動産は社会の縮図ですね。

3、良い物件は足が速い

ネットでは実に多くの物件が検索できます。しかし、本当に良い物件はやはりネットや店頭に出る前に決まってしまいます。だからと言って、ネットが役に立たないということは全くありません。
ネットの問い合わせに反応のいい会社は、情報も沢山持っていますし、仕事も早いです。
また、昔気質の堅実なオジサンはネットなんか使わないので、間に動きの良いマメな仲介が入ってくれることで、情報もこちらに届きやすくなります。この辺り、本当に不動産は縁のものですので、毎日住むことを考えると、ある程度の手数料は仕方のないところでしょう。
物件と価格の関係は、不動産に関して一番大切なことは、掘り出し物を期待しないことです。
相場よりもすごく安い物件は、何かあります。たぶん探している時には分からなくても、住んでみてから出てくるでしょう。これは自分で判断するしかありません。情報がまんべんなく行き渡るようになった結果、価格と物件は釣り合いが取れるようになっていますので、期待しすぎないことが大切です。

4、現地優先

料金や条件などを見ていいと思っても、有力候補に入れるかどうかは、必ず現地を見てからでないとダメです。土地の起伏、車の往来、人通り、陽当たり(あまり陽当たりがいいばかりが良い訳ではない)、埃の立ち具合、土質、水はけ、付帯設備、周囲の建物etc……は、現地を見ないと分かりません。
いや、見ても分からないことが多いのに、ぜんぜん現地を見ずに図面で間取りだけを問題にするのは早計です。いちおう現地を見て合格ラインに達しているとして、その次にきちんと間取りの検討に入ります。

しかし、この「現地を見に行き、きちんと間取りを検討する」というのは、間取りもある程度のラインに達した物件であるべきです。でないと、無駄が多すぎます。この辺りで、風水学の知識がモノを言います。

5、風水鑑定の役割

多くの方は、物件は鑑定してもらえばいいから、と思っていらっしゃる場合も多いでしょう。
しかし、物件を決めてから鑑定しても、鑑定で改善できるのはせいぜい、家族に応じた部屋の割り振りや使い方、入居時期ぐらいのものです。
その為、決める前に、じゅうぶんな準備をしておくことが大切です。
また、鑑定するにしても、どの物件を有力候補にするかは、自分で決めなければなりません。ですから、全く風水学の知識がないと、候補物件をピックアップするのに、不利な選択をしてしまうことになります。
最悪の場合、苦労して沢山物件を選んできても、全部凶相で使えなかった、ということになるケースもあるわけです。

ある程度の風水学の知識があれば、候補物件をピックアップするのに、初めから素材が良いので、すぐに決まる可能性が高いわけです。このあたりで差がついてしまうので、自分で判断できるぶんと、専門家に任せるぶんをきちんと見極めることも大切です。

順序としては、購入の場合でも賃貸しの場合でも、次のような方法が望ましいでしょう。


3までは業者にタッチしない(空いているか確認するのは別)のがコツで、素人は不動産業者にタッチすると、その時点でもう相手のペースになってしまって正しい決定が出来ない、と思っておいたほうが良いでしょう。
下調べを十分にして、検討した上で、業者にタッチすることと、下調べに時間をかけても、決めるのに時間をかけないことです。ある程度まできたらグズグズせず、もし駄目だったらサッサと頭を切り替えるようにしましょう。
間取りや価格や地図で見た時点では良いと思っていても、現地に近づくにつれて、ありゃりゃ……となることもかなりありますので、あまり早い時点で業者とタッチしないことがコツです。
上記の1〜5の中で、1〜3までが8割、最低でも7割を占めます。いきなり、不動産屋に飛び込んで、これこれこういう物件を紹介して下さい、と言わないことです。
自分が不動産屋だったら、と考えると、良い物件も悪い物件も全部決めたいわけですから、そういうそそっかしい人には、一番決まりそうにもない不利な物件を先に紹介するでしょう。
現地見学は、よく知っている地域ならばいいですが、何年か経てば変わっている場合もありますし、社会経験も移転経験も少ない皆さんが、間取りやインテリア的なことばかり問題にして、地図上で状況把握しようと思っても、難しいものがありますので、是非実施しましょう。


物件の絞り込みかた

当サイトでは、そういう手順を踏む上での、最初の候補物件の絞り込み方を紹介します。
現地の状況をよく見て頂くのはもちろんですが、一目見て鑑定するのが無駄というような物件をなるべく候補に上げないように、最低限のアウトラインを書きますので、今後の参考にして下さい。

陽宅風水の難しさ

ただし、これは陽宅風水の講義ではなく、全く何も知らない皆さんが、簡便に候補物件を絞り込む為のガイドラインです。
「本格的に、きちんと決定する」ではなく、あくまでも良くない候補物件を切り捨てて、無駄なことをしないというのが主眼です。
不動産というのは、欲張らずに、とにかく大凶相のものを選ばないことが重要です。大吉相なんてそんなにありませんから、平凡で良いのです。

こういう手順を踏んで、皆さんがなるべく良い家相の物件に入居するようにすれば、良い家相の部屋はしっかりした入居者が早く決まるようになります。
業界も研究していますから、そうなれば自然と、建築会社やオーナーも、おかしな形をした悪相の物件は作らなくなり、全体のレベルがあがります。幸いというか、好都合なことに、日本の住宅は寿命が短いので、皆がこういう努力をすれば、数十年後にはとんでもない変形のおかしな物件は少なくなるでしょう。

「簡便に」とわざわざ断りを入れているのは、ここがこういう物件が良い、と言うと、多くの人がそこだけにこだわって、もっともっと大きな欠陥のある物件を持って来られることが多くなってしまうからです。
家というのは、あっちが良ければこっちが悪くなる、というシーソー的なところがあり、このあたりが、陽宅風水の勉強とはまた違う、実際の住宅選びの難しさです。
皆さんも、風水に興味がおありなので、たぶんそれに関する本の一冊や二冊は手になさったことがあると思いますが、それで実際に家相を見れるようになったでしょうか?

実は、皆さんのお読みになった本には、かなり細かいことが詳しく書かれている筈なのですが、実際の使い方は全く分からなかった、という方が少なくないと思います。
家相、陽宅というのは、素人が細かく勉強すればするほど、どんどん分からなくなるという面があるのではないでしょうか。

どっちの方角に何があるとどうなる…と書いてあるかと思えば、またあっちの方角に何があるとダメだ、とあるし、じゃあ結局どうすればいいんだ…、となってしまうことが非常に多いと思います。
また、それが分かっても、そんな家を希望の方位に見つけられる可能性は……?
実際には、希望どおりの形をした物件が、希望の時期に希望の場所に希望の価格で待っていることなど、あり得ようがないのですから。

風水で一番難しいのはこの辺りの「バランス」なのです。実際の物件選びは、大凶を捨てて小凶を取る選択になります。特にワンルームなどは「吉」はないと思って下さい。
下手に風水を聞きかじって一箇所だけを大きく問題にすると、ポイントをはずしてしまうことが多くなります。恋愛運や結婚運ばかり考えていて、病気になったり失業してしまうような相では仕方がありません。

家相には100点満点はありませんので、完璧な家相の家に住むことはまずできません。そこで、何を捨てて何を取るか、知識に加えて常識とバランス感覚というものが大きな割合を占めます。
これにはある程度の年齢と経験と客観性が必要ですし、「こだわり」と「切捨て」という相反する判断を、一緒にやらなければなりません。
市販の風水・家相学の本にも風水サイトにも書いてないのは、こういう問題です。少し気を楽に持っていただいて、妙なこだわりを捨て、重要ポイントだけ見るようにしましょう。


「平成17年3月記述、29年10月改訂」

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