小児、貧悪の相あるとも、その親つつしみよろしければ、みだりに悪しきというべからず。子たる者は初年より、その親のなすところに依って、悪相も善と変ずることあるべし。
それ、子に対しては親は本なり、その本正しければ子自ら全し(まったし)。尤も、未だ生まれざる以前の因縁あるといえども、これを解くことはみな親の行うところにあるべし、。親これを解かざれば、成長して己が行うところにあるべし。
子供をお持ちの皆さんは、これは真剣になられることと思います。自分自身のことよりも、子供の問題は自分でどうにもならないだけに、とても辛いものです。
仏教でも、鬼子母神の話があります。母鬼がいつも人間の子供をさらって食うので、お釈迦様が子鬼を一人隠してしまいました。そうすると母鬼は、狂ったようになって子鬼を探し回るので、お釈迦様はこうおっしゃったそうです。
「お前はたった一人の子供を見失ってそんなに悲しむのに、いつもお前に子供をさらわれている人間の母親はどんなに嘆き悲しんでいることだろうか」
そうすると、母鬼は悔い改めて、その後は人間の子供を護る守護神になったという話です。
このように、親子の情愛は人のみならず鬼をも動かす力があるということですが、この章で述べてあるのは、子供が悪相であれば、できるだけのことをしなさい、ということです。
子は親の鏡と言いますが、子供に悪相がある場合もその子供だけの責任ではなく、親の因縁を受け継いだものなので、親は幹、子は枝とも言えます。更にその根っこは先祖代々の因縁ということになりますが、どっちに転んでも、枝の出来が悪いからといって枝だけを責めても仕方がありません。まず枝の本である親が、自分自身を正しなさい、と説かれています。
まず悪因を解くことは、陰徳の外はあらじ。世に慈悲、善根、放生等をなすものありといえども、これみな人の知るところにして陰徳にあらず。真の陰徳は、われ日々食い費やすところの食物を、半椀食せずして天地に延ばすといえども、我より外に知るものはあらじ。これを真の陰徳という。なお一口といえども、日々この如く行うときは、子孫の悪因を解き己が悪因を解くこと名月を指すがごとし。
親の悪因縁を解くには、陰徳を積むしかありません。陰徳を積むというのは、自分の食べるぶんの食をけずって足りないところに分け与えることで、これを続けていれば必ず子供の悪相も無くなるだろう、ということです。
しかし親の力だけで好転しない時には、子供も自らの力で陰徳を積まなければなりません。
たまに異様に大食の子供がいます。開運には小食、粗食の原則からいうとあれは非常にまずいので、何がそうさせているのか、そこに注意を払う必要があります。育ち盛りの食べ盛りは当たり前なので気にしなくて大丈夫ですが、食物に異様に関心が強いのは、何か原因があるのではないか、という気がします。
一人っ子に多いような気がしますが、親の愛情を一身に受けているように見えても、実は親の都合を一人で押し付けられている場合もあり、つまり本当の愛情が足りていなかったり、何か原因があるのではないか、という気がします。
また原著には書いてありませんが、陰徳を積むという事には難しい面があります。いわゆる良い行いをしたり寄付をしたり、現代風に言えばボランティアなどをしても、これは目に見える行為なので、陰徳にはなりません。子供の悪相は陰に見えなかった悪因縁のせいなので、陰の因縁は陰徳でないと解けないのです。
更に、外に見えなくても、陰徳を積んで開運したいから、と何かの利益を目当てでやっていると、それは陰徳にはなりません。ここまでくると、良いことをするのも意外に難しいものですが、簡単に言うと、私利私欲を捨てる、ということですね。
食物とは関係ありませんが、親の因縁で思い出したことがあります。ある時、知り合いの行者さんのところに、ある女性が相談に来られました。その時は全く別の相談だったのですが、後日、娘さんに問題があるので、と連れてこられたのを見ると、かなり悲惨な状態でした。ハイティーンの花も盛りという年頃なのに、暗く塞ぎこんだ顔に生気はなく、爪や皮膚を噛みちぎり、しじゅう自分で髪の毛を引きむしるので見るも哀れな有様でした。
眼の色を見ても知能的には問題がないのに、母娘で居るのを見ると、お母さんがモデルと言ってもおかしくないような美人なので、とても母娘には見えません。
しかし、毒のある美人でしたし、最初の相談じたいが不倫に関わることだったので、家庭内に何か問題があったのではないかという気がします。あの娘さんは、お母さんの裏の顔だったのかもしれません。
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