観相術入門:目次

顔面三停と十三部位

顔を観察すべし

今回は、いよいよ人相・顔相そのものの、概略に入ります。
人相学で最も難しいのは、理論を覚えることではなく、じっさいに顔を見て、その顔の判断をすることです。

例えば「この部分の肉付きの良いのは○×□△…で、肉付きの薄いものは▽×☆△…で…」と言われても、素人には肉付きが良いのか悪いのか、なかなか見分けがつきません。

「センセイ!、この人は、このあたりの肉付きは良いですよね!?、一方、あの人は肉付き薄いですよね!?」
と得意気に報告したら、「いや、この人は肉付きが良いのではなく、浮腫んで弱々しいので、ただ薄いのより危ないです。一方、あの人は筋骨質で骨太なので肉付きが薄いように思えるだけで、決して肉付きは悪くないです。心身とも強健です」なんて、言われてしまったりします。

ま、たくさん失敗しないと覚えないので、センセイがいる場合はどんどん質問したほうが良いですが、初心者でも黙って沢山の顔を観察していると、いちいち人相学のセンセイ(そんなの居るか?)に傍に居て訂正してもらわなくとも、次第に見分けがついてきます。

顔ぐらい、沢山のサンプルが転がっているものはありません。
自家用車に乗ってしまうとなかなかチャンスがありませんが、電車に乗ることの多い人はチャンス!
(あー、疲れたなー、今夜は何食べようかなー、明日はどの服着て行こうかなー…)なんて考えていないで、こっそりと人相学の実習に励むが吉です。

電車の中で人相を観察しても、観察対象の乗客にいちいち、「あなたはここの部分が狭くて、家族縁の薄い相ですが、ホントにそうですか?」などと確認するわけにはいきません。しかし、メリットもあります。いちいち当人の期待に添うようなことを言ってあげなくていいぶん、気楽に観察ができる、と考えると良いでしょう。
注意していると、似た特徴を持った人が知人に居て、それで裏づけができたりするものです。
まずは、知識を仕入れてから後に、沢山顔を観察することが大切です。

テレビや映画もいちおうのサンプルにはなりますが、メーキャップで誤魔化していたり、生年月日も当てにならないことが多いものです。
特に筆者は、芸能人は全く世間の平均値とかけ離れていて特殊な相が多く、あんまり運命学の勉強にはならないという意見なので、講座やサイトでも、芸能人はほとんどと言っていいぐらい、取り上げません。
やはり、電車の中や会議の席上などが、暇潰しを兼ねて、人相学の勉強にはもってこいです。
また、人相も手相も生年月日も、住む家も移転の方位も、結局は同じような人間模様を語っているものなので、誰かの生年月日と引越しの方位と家相を見た時に、人相にも同じ特徴が出ていて(なーるほど…)ということになったりします。

しかし、人相を数多く観るにしても、基礎知識がないとどうにもならないので、今回は人相の見方の概略。まず、顔面三停です。

顔面三停 十三部位

顔面三停について

なお、この肉付きの点については口伝があるけれども、人によって様々なので、よく考えなければならない。三停については古書に詳しく説かれているところであるが、ここにはその大意のみを示した。三停各部の肉の清濁や厚薄については、口伝も若干あるので、よく考えて習熟しなければならない。


南北翁も何度も述べられていることですが、昔から人相学は、肉の厚い薄い、綺麗でスッキリしているか、または煤けて曇っているかを観なければなりません。しかしそれには主観が入る余地が大いにあるので、くれぐれも初心者は注意するように、ということのようです。
知識としては、まず上記の事柄を覚えることから始りますが、あっさりと肉が厚い薄い、澄んでいる曇っている、という判断を下してはならない、ということでしょう。

これは、人相学を教える上での最大の課題なので、筆者ははっきりと目で見て測ったように分かる、形状による判断を中心に教えるようにしています。
しかしこれとても、上停が発達しているのか、中停が発達してるのか、はたまは下停か…あっちが上がればこっちが下がる、というように、判断が難しいものです。

例えば、上停が下停よりも発達している場合で考えると、上停が良くて下停が普通なのか?或いは上停はマアマアで下停が悪いのか?どちらに解釈するかが難しくなります。

家相でも、張りと欠けは一対になっていて、例えば北西が張り出しだと大富豪になる吉相だと聞いてきて、北西方位を欲張って張り出してみたら、隣の北方位と西方位が大幅な欠け込みになってしまい、逆に貧乏の相だった、ということも少なくないものです。
このへんのバランス感覚は経験と言うしかないが、人相とても事情は同じことのようです。

さて、三停の図ですが、眉から上が上停、瞼から鼻までが中停、鼻下から顎の先までが中停というのは、お分かりになると思います。絵が中国風なので、耳の形がちょっとヘンですが、耳はまた別項にします。

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