観相術入門:目次


頭と身体各部

前章までは南北相法・前編の中の「巻の一」でしたが、今回は巻の二。全巻をそのまま引き写して書いても仕方がないので、原典のだいたいの構成に添いつつ、アウトラインがなるべくわかり易いように抜粋してゆきます。
頭部と身体各部をそれぞれ細かく見てゆくことで、体のどの部分がどういう意味を持つのか、その概要が何となく掴めると思います。

「巻の二」より

頭の形と大きさ

頭は天に準じて円形であり、最も高い位置にあって陽気の集まるところでもあり、諸々の思考、感情の動き回る所であるから、頭が心を司る。
頭が大きい者は心にしまりがなく、そのため身の治まるのが遅いようである。また、特に頭の小さい者は心が狭く、従って運勢の発展も難しいだろう。



頭頂について


弟子との問答


頭頂部はいわば体の峰であって、高く清浄であるが故に、身体の中では高貴なものを宿す所である。また頂きは、天陽の恵みを受けとめる場所であるから、そこに凹凸のある者は万物を留めることが出来ず、散財の相と言われる。頂きに疵があるのも、貴人の縁に支障が生じることであり、優れた人物と近づきになっても長続きせず、目上とも意見が合わない。
また頂きが丸いものは体の山が丸いということであり、天陽を平等に受ける吉相と考える。



髪と髭について

髪や髭も身体の一部ですが、南北翁は髪と髭を草木に例え、身体の中では心臓と腎臓に対応させています。
心臓と腎臓は陽と陰の関係。その陰陽が相互に絡み合って髪と髭を生じせしめているので、髪と髭によって、腎血の強弱を判断できるとしています。老いて血が薄れ白髪になるのは、草木が枯れるに等しいということです。

髪質によってもいろんなことが分かる。赤毛、ちじれ毛、太い髪、墨のように黒かったり剛毛なのは下品の相である。太い髪は弾力がなく切れやすいので、腎血の薄さを意味し、細く柔らかい髪は粘りがあって勢力旺盛である。

年取って髪が薄くなり額が禿げ上がるのは、自然の巡りに添って運勢も順調に巡っていることを意味する。しかし、急に髪や髭が赤毛になったり、額の生え際がまだらに禿げ上がる時は、天にむら雲の起こるようなものである。
若いうちに額が禿げ上がる者は、天が早く晴れ上がるようなもので、出世が早く運が早く開くのである。反対に、髪が濃くて額にかぶさるようになっている者は、自分を知ることがなく、身分が低い。


この髪と髭の部分では、昔から言われていたことをすっかり忘れてしまっていたことに気付きました。
髪の毛は多くて黒い方が何となく安心できるし見栄えもするような気がしていたのですが、髪の毛は少なく細いほうが高貴の相なのですね。
黒くて太く硬い髪は、引っ張ると切れやすく、細い髪はしなやかで粘りがあるのだそうです。ここで思い出すのが…「精力絶倫」(笑)。やっぱり、昔から言われていることは事実のようです。

また、南北相法で繰り返し述べられているのは、髪の毛の生え際のことです。
生え際の髪が濃いのは額の上部が曇るのと同じで、まだ運が開けていないことでもあり、目上にかかわる宮が豊かでないことなので、目上と意見があわず、目上の引立てを得られないことだそうです。
髪の毛は生え際が薄く、全体に少な目で毛が細く、しっとりとしなやかで、赤毛でなく適度な色なのがよさそうです。


顔について

顔については各部にわたって述べられていますが、ここでは顔全体について述べます。
南北相法によれば、顔は精神と肉体の各要素が集約された場所なので、顔だけで一身上の吉凶を見ることができるということです。


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