首筋で長命・短命を見分けることができる。首筋が太い者は長命で病気になることが少なく、細い者は身体が強くない。首筋は太くても細くても、後ろから見て元気なく淋しげに見えるのは生命力が衰えている証拠である。
首筋が長く立ち伸びている者は、分相応に穏やかな暮らしをする。首筋が短い、いわゆる猪首の者は、体が頑健で長命である。体格がよくて人柄も良い者が首筋太く猪首の場合はそれ相応の福運があるが、下品の相の者が猪首の場合は、優れた人達との交わりもかなわず、安楽な暮らしとは縁遠い。
問答によると、首筋というのは人を樹になぞらえた場合、頭が根であり首筋は幹、手足は枝である。従って、幹がしっかりと太いのは頑健で長命だということです。
しかし、幾ら太くても、樹木も枯れる時には何となく元気がなく淋しく見えるように、人も首筋が淋しく見える時は、悩みがあったり大難に見舞われる前兆だそうです。
咽喉骨の高い者は、片意地であり、なかなか出世は覚束ない。咽喉骨が不要に大きいのは樹木に節があるのに似ており、素直に育っていない証拠である。節のある樹は見苦しいので、家を建てる時にも人の目につく場所には使用しない。人間の場合も、労多くして功少なしの暗示がある。
鎮骨とは、後頭部の下の方の、ちょうど枕の当たる部分の骨である。
この鎮骨の高い者は長命であり分相応の福運に恵まれる。鎮骨が無かったり疵のある者は、苦労が絶えず災難が多い。
寿骨が目立たない者は、運勢に浮き沈みがあって根気が続かない性格。鎮骨、寿骨ともに高いのは大吉の相。
人相判断でもあんまり気のつかない部分ですが、この鎮骨(枕骨)というのは、頭の目立たぬところにあり、一方、寿骨も耳の後ろに隠れています。
鎮骨は南極星になぞらえるということですが、実際の南極星は寿命を司る星と言われ、地平線下36度と言われて、普段は見えません。
鎮骨と一対の寿骨が連なると、ぐるりと後頭部を取り囲む三体の星となります。あまり目につかないところに寿命を司る福寿星が位置しているのは、興味深いことです。
肩は生涯の運勢と貧富の運の現れるところです。俗に「細い肩にかかる」「薄い肩」「肩を落とす」「肩を怒らせる」「肩書き」「肩入れする」というように、何かにつけて出て来ますが、その表現は、生活の貧富とか勢いに関係することが多いようです。
肩は職業と大いに関係がある。いかにも荷運びをするような格好をしている者は、身体を使わずに暮らしを立てることができない。富裕の者でも体つきがいかにも荷運びをするような格好の者は、結局は身体を使わない暮らしができない。
肩の肉が豊かで骨がそこに埋まっている感じの者は、身体は使うが必要な気を使うことがなく、下賤の相である。
肩が素直で形のよい者は、心も正しく人からも引立てを受け、身分の高い人の知遇を得る。
怒り肩で勢いのある者は、気が強くて世渡り上手の人である。
かなり記述が多いので、主なものに留めますが、肩というのは身体の中でシルエットとしてかなり目立つ部分です。職業やその時の運気などとも関係があり、微妙であると同時に、けっこうはっきりした特徴が現れる場所です。
「肩身が狭い」という言葉があるが、婿に入ると自然と肩つきがひそやかになるそうです。確かに、よほど恵まれたケースでない限り、あまりのんびり大手を振って歩ける入り婿さんは少ないのではないか、という気がします。
反対に、思い通りにことが運んで勢いが良いと、「肩で風切る」という状態になるわけです。
肩は、天の陽気を受け止める場所でもあるので、運勢的な勢いと同時に、心正しく公明正大な生き方ができているかどうかも表しています。肩の形が良いかどうか、肩のシルエットは、運勢及び心の正しさに大いに関係するところです。
運勢の良し悪しを、単に「肩が良い」「肩が悪い」ともいうそうです。
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