皆さんはたぶんもうご存じだと思いますが、風邪のウイルスは200種類近くもあり、コロナウイルスにも何種類もあります。普通風邪と言われるものもコロナウイルスですが、「今年の風邪はたちが悪いね」などと言うように、種類を追いきれないほど数が多く、また変異もする為、未だに薬がなく、対症療法しか出来ないのです。
しかし、今回の新型コロナウイルスが何故恐ろしいのか、何が新型なのか、この点が気になりますね。その話に入る前に、まずはおさらいです。
これまで分かっているコロナウイルスに関しては、このページが分かりやすいと思います。
NIID 国立感染症研究所 ヒトに感染するコロナウイルス
また、あまり深入りしたり専門用語を使わずに、今回の新型コロナウイルスとインフルエンザとの違いを知るには、この対談が分かりやすいと思います。
【新型コロナ対策 緊急対談】日本は「新型コロナ」にどう対応すべきか?
尾身 茂氏(新型コロナウイルス感染症対策専門家会議 副座長)×山中伸弥氏(京都大学 iPS細胞研究所2020年3月9日
その要旨は、ざっと言うと次の通りです。
新型コロナウイルスによる肺炎と、インフルエンザから派生する肺炎は性質が全く違う。
新型コロナウイルスの感染の仕方と、普通風邪やインフルエンザの感染の仕方は、全く違う(ここでクラスターという概念が出て来る)
これまでのインフルエンザの季節性は、新型コロナには通用しない
なぜ、スーパースプレッダーが居るのか、一つの仮説としては、一部に非常に多くのウイルス量を持つ人が存在する
対応の仕方は、ピークを低くして感染者数の山をなだらかにすること、検査数を無暗に増やすことは意味がない
無症状の若年者が感染源になって、多大な犠牲者を出す可能性があるので、休校や集会中止の措置が望ましい
この要旨だけ見ると、何でみんなに検査してくれないんだ、など、いろんな不満が出てくるとは思いますし、5と6は一見、矛盾しているようにも見えます。しかし、対談や公式会見をきっちり見て頂けば、よく納得できと思います。
筆者は、現実に則った卓見だと思いますし、世界でもヒステリックにも楽観的にもならずに、割によく考えて政策を行う国は、この方針に倣っているようです。ただ、日本に倣った国がうまくいくかは、後で述べる理由により、疑問もあります。今の時点でうまくやってるのは台湾だけです。
峰 宗太郎先生の話も、非常に明快かつ詳細で分かりやすいです。ホリエモンはちょっと、自分の都合のいいように勝手に結論付けしたがってるようにも見えますが。
新型コロナウイルスについて専門家に質問しました(前編)
新型コロナウイルスについて専門家に質問しました(後編)
ただ、このクラスター潰しの方法はもう使えない、次の段階だ、という人も居ます。それでロックダウンが取り沙汰されているわけですが、今の状況ではみんな仕事を休んでも、生活の保障がないので、実効力がありません。
しかし、生活が大事というのは分かりますが、劇症化して亡くなったりしては元も子も無いので、何が怖いのかを知っておくと、ある程度の覚悟をしやすいでしょう。
まず、上記の山中&尾身対談の内容を踏まえた上で、知っておかなければならないのは、人間の免疫システムのことです。
私たちは普通、「こうすると免疫力が高くなって良い」「この食品やサプリは免疫力を高める」と言います。
しかし、これは少し大雑把すぎる認識で、免疫というのは良い働きばかりでなく、時には怖い現象を引き起こします。
アレルギー反応というのが、免疫の過剰反応であることはご存じですよね。
実は、免疫は多くの病気を引き起こす側面があり、時としては急激に死に至る場合さえあります。
ペニシリンショックや蜂毒アレルギーなどに代表される、アナフィラキシーショックが有名ですが、どうも今回の新型コロナウイルスは、それと似た性質があるのではないか、という見方があります。
その為に、免疫疾患であるHIVの薬やぜんそく薬が、一定の効果をみせているのでしょう。
免疫システムについては、この講座が易しくて分かりやすいので、まずはザッとでもお目を通して下さい。
私たちの体を守る免疫システム その良い面と悪い面
東京医科歯科大学難治疾患研究所
新型コロナウイルスは、二度目に罹ったら、劇症化して亡くなるケースが多い、と聞きます。若い人は軽症で済み、高齢者や基礎疾患のある人は、重症化しやすいとも言われます。
それは、免疫システムと大きな関係があります。この点が、今までの風邪やインフルエンザと大きく異なる部分で、HIVなどの免疫系の疾患と近い部分がある、と言われている所以です。
それは、抗原抗体反応というもので、免疫疾患の一種です。二回目に重症化しやすい、というのもここから来ています。
筆者の乏しい知識の範囲内ではありますが、門外漢なので、かえって皆さんに分かりやすいという利点があるかもしれないと思い、大胆な仮説を立ててみました。
コロナウイルスにもいろいろあり、普通風邪もコロナウイルスである。
普通風邪やインフルエンザの場合は、そのウイルスに対しては免疫が出来るので、二度目には罹らないか、罹っても軽症で済む。
新型コロナウイルスの場合は免疫が出来ず、二度目に罹ると劇症化しやすい。
新型コロナウイルスに罹ると(抗原が入る)、一回目の感染で体内に抗体が出来る。二度目の感染ではこの抗体が激しく反応し、自分の体を傷つけて劇症化する。
若い人が軽症で済むのは、これまでに新型コロナに似た風邪(コロナウイルス)に罹ったことが無く、体内に抗体が出来ていないから。
高齢者が重症化しやすいのは、これまでに風邪をひいた回数が多く、そのぶん新型コロナに反応しやすい抗体が既に体内にあるから。抗体がある状態では、新型コロナに二度感染するのと似ている。
この点では、若い人でも劇症化しないわけではなく、高齢者でも必ず劇症化するわけではない。既往症や体内の免疫の状態による。
つまり劇症化とは、免疫システムの暴走を引き起こすことによって起きる。いわゆるアナフィラキシーショックのようなものである。
免疫応答システムを制御し、うまくブレーキをかけるのは制御性T細胞。
筆者の浅い知識と鈍い頭を振り絞ってまとめたものですが、もしこれが当たらずとも遠からずであれば、一縷の望みが見えてくる気がします。むろん、なぜ新型コロナがこのような性質を持つに至ったのか分かりません。そこが、新型だとか生物兵器と言われる所以です。
でも、最後の2行で先に結論を書いてしまいました。
免疫システムの暴走?T細胞???という人は、このすぐ上の「私たちの体を守る免疫システム その良い面と悪い面」をもう少し読んで下さい。
その上で、次の章へ行ってもいいし、いきなりBCGの章へ飛んでもいいです。でも全部読んで下さいね。筆者のただの脱線たわ言を読むのも、こんな時には気晴らしになるかもしれませんよ。
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