今回は、風水に関係のある外国映画をご紹介しよう。といっても、あくまでもタオの主観ではあるが。。。
「ゆりかごを揺らす手」はけっこう有名な映画だから、見た方も多いと思う。女性監督独特の執拗さ、細かさがあって、それだけに「女は怖い」と思ってしまう方があるかもしれない。
映画は、ごくのどかな情景から始まる。
場所はアメリカ合衆国。緑に囲まれた、居心地のよさそうな郊外の一戸建てである。新婚ではないが、絵に描いたような幸福な一家の、朝の一コマである。
出勤前にヒゲを剃っている夫の傍で、可憐な少女がパパと無邪気な会話を楽しんでいる。キッチンで朝食の支度をしている妻は、もうすぐ第二子の出産とあって、少しゆったりした動きながら、その重たげな様子が安定した家庭生活をうかがわせる。
そこに、異物が侵入して来るのである。。。
廃材を利用した温室が惨劇の場に… |
最初の異物とは、庭仕事の為に派遣して貰った少し知恵遅れの黒人である。続く異物は敷地の一部に建てた温室であり、妻が外で巻き込まれてしまう事件である。これらの異物が手を変え品を変えてどんどん大きくなり、しまいに家の中に大きくはびこり、陰湿な策略と暴力によって夫婦を引き裂こうとする大きな魔物となるのである。
じつは、この「異物」の捕らえ方、展開のしかたが、なんとも風水的なので、講座のほうのチャット大会でも話題にしたのだが、まずはまだ見ていない方の為に、簡単にストーリーをご紹介しよう。
産婦人科医の敷地は鋭角の三角地 |
妻は第二子出産の為に、ある産婦人科医の診察を受ける。同時期に、植物園から廃材を貰ってきて、敷地の一隅に温室を作る。植物いじりが何よりも趣味なのである。
ところが、産婦人科で診察の折に医師に変態じみた猥褻行為を受け、大きなショックを受ける。憤慨した夫と共に告発に踏み切るのだが、続々と同様の被害が明るみに出たため、社会生命を断ち切られた産婦人科医はピストル自殺を遂げる。
産婦人科医の妻は妊娠中だったが、不慮の事態にショックを受けて流産してしまい、子供を生めない体になる。偏執狂気味になったこの産婦人科医の未亡人は復讐を企み、夫妻に巧妙に近づいて住み込みのベビーシッターとなる。
タイトルの「ゆりかごを揺らす手」というのは、「ゆりかごを揺らす手は世界を支配する手」という諺から出たらしいのだが、この格言を口にして夫妻に忠告するジュリアン・ムーアなどはいつものタフな役柄に似合わず、あっさり殺されてしまう。
智恵遅れの黒人は守護天使の扱いで、親切にしてくれたこの一家への恩義を忘れず、その純真なひたむきさで最後の最後まで一家を守り通す。
問題の産婦人科医の未亡人という怖い役回りは、レベッカ・デ・モーネイで、スティーブン・キングのところでも話題にした「シャイニング」(S・キング監督のつまらない方のバージョン)にも登場している。配役やディテールも充実していて、なかなか楽しめる映画だ。
この映画の中でやけに目についたのが、問題の産婦人科医の新築の家である。見事な?三角地に建っている。流行っている(?)産婦人科医がなぜこんなおかしな三角地に家を新築するのか、まずもって疑問である。
このサイトの訪問者ならばご承知だと思うが、三角地というのは、精神病、不和、社会的恥辱、不名誉、偏執的性格、突発的災難、中途挫折など、自動、他動どこから見ても最悪の相で、風水学的には避けなければならない相の第一とされる。
三角地に立つ家はガラス張り |
もう一つは、このストーリーが植物園の廃材で家の中に温室を作るところから始まることである。温室を作った方位が敷地のどの方角だったのかは知らないが、被害者となる夫妻のほうも、最初の加害者である産婦人科医の方も、家をいじったところからストーリーが展開し、最終的にそれを救うのは、また別の方面から同時期にやってきた人物(智恵遅れの黒人)である。
話の展開とこの三角地や温室の件があまりに風水的なので、映画の製作者側で風水に通じた人物がかかわっているのではないか、と思えるほどである。
日本よりもむしろ欧米のほうが風水研究には熱心なことでもあるし、案外そういう裏事情があるのかもしれない。エンターテインメントとしても楽しめる作品である。
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