運命の点でも現実的な点でも、鬼門というのは非常に特殊なパワーを秘めた方位で、大きなウイークポイントを握っています。ですから特に一章を割いて、鬼門のことに触れておきましょう。
まず、次の日本列島の地図を、もう一度よく眺めて頂きたいのです。
日本列島は龍の形をしています。北海道が頭で、裏日本を背とみたて、房総、伊豆、紀伊半島あたりの地形の入り組んだ部分を手足と見ることができます。サハリンが龍の角で、沖縄は尾となります。
ですから全体として見れば、日本は龍神の支配する国、龍神そのものであり、龍神の性質である水の性質の多く備わった国だといえます。
次に、この日本列島が、全体に北東から南西に長く伸びているという点に、注目してください。気の流れと同じ方向です。
この北東から南西、つまり鬼門から裏鬼門にかけて長いという日本列島の様相が、われわれ日本人の運命に、非常に大きな意味を持っているのです。
風水学では、北東という方位の持つ意味を次のように定義しています。
変化変動、起死回生、一進一退、一陽来復、新旧交代、改革、相続、継ぎ目、迷い、欲などです。
この象意をもととして導き出される具象は更に細かく、事象、人事、天候、物品、場所、職業、病気、飲食物、動植物などありとあらゆることがらに分けて定義されています。
ですが細かいことはともかく、先に述べた大きな象意をしっかり覚えておいてください。
この、日本列島が鬼門から裏鬼門にかけて長いということは、当然、鬼門、裏鬼門間の行き来が多くなり、この象意の影響を受けることが多くなるということです。
その時どんな九星が回っていたか、吉方だったか凶方だったかは別として、大きく見れば鬼門、裏鬼門の影響から逃れられないということです。
これは非常に大切なことです。特に九州から関西、関東に出て来る人はほとんどが鬼門に向かって動いているわけで、この動きは良くも悪くも、その人の運命を一変させる作用があります。
いっぽう東北地方から上京する方は、多くは南下している場合が多く、これもわりあいに作用の激しい方位ですが、鬼門ほどではありません。
ちなみに裏鬼門を鬼門と同じように考えて気にする方もありますが、裏はあくまでも裏であり、表鬼門ほど激しい作用はありません。
そこでさらに、鬼門方向の延長線を見てみましょう。
そこにはアメリカ合衆国があります。カナダも北東に入ります。
「ドクター」を名乗る風水師もどきのせいで、アメリカは東と思っている方が大勢いらっしゃいますが、アメリカ合衆国は完全に北東です。ハワイだけが東にあたります。
この問題に関しては詳しく触れていますので、「方位の見方・常識のウソ」をご覧ください。関連した地図のサイトも紹介しています。それでもなお信じられないという方は、航空関係なり海上保安庁なりの公的機関にお問い合わせください。
風水学は根拠のある学問ですので、何も風水だからといって太陽が西から上ったり、北が南に変わるということはありえません。
さあ、日本とこれだけ関係の深いアメリカ合衆国が北東にあるということは、何を意味するのでしょうか。
第二次対戦で日本はアメリカに負けて以来、非常に変化しました。これは人為とばかりはいえないような気がします。北東との拘わりは運命を一転させる、劇的な変化をもたらすのです。
日本にとってアメリカ合衆国とは、上にあげた変化変動、起死回生、一進一退、一陽来復、新旧交代などの象意をもたらす国であり、拘わりかたを間違えれば非常に危険な国なのです。
これは単に良い悪いということではなく、何事に関しても大変動がつきまとい、それは日本の命運を大きく左右する、ということなのです。
この北東(鬼門)の見方は、個人、法人の住宅、土地にもあてはまります。
事業所と個人の住宅の場合はやや判断が異なりますが、これは生活時間と用途が違う為であって、基本的な建物の見方は同じです。
まず、鬼門はしっかりと壁になっていて空気の流通がなく、きちんと整理整頓されていることが望ましく、あまり変形しているのは良くありません。
鬼門が玄関ですと、会社は倒産破産、個人の家なら働いても働いてもお金が貯まらず、ついにはそこを出て行くことになります。
風呂、トイレ、台所などの水場であれば一家の主人が病弱で、特に腰痛、椎間板ヘルニアなどを患い、相続者、長男が頼りなく病弱であるか、不良化するなどの傾向になります。
逆に壁であっても北東が大きく張り出していた場合は、そこに住む人は欲の固まりのようになり、相続問題のトラブルを起こすことが多くなります。
最近は最初から家を細かく設計して建てる方は少なく、また知識もありませんので、完全な家相は望むべくもないのですが、たとえ借家、アパートであっても、最初にチエックすべきは、北東がどうなっているかという点です。
この家相の見方を大きく国家社会にあてはめたのが、さきほどの日本とアメリカの関係ですが、古い書物に国家の存在を風水的に解釈した面白い記述がありましたので、紹介しておきます。
なおここに紹介するのは、原文を易しく書き直したものです。
国家の相は宅相と同じ見方ができる。その国の首都は本屋、他の地方都市を別棟と見ることとする。
日本は北海道を頭となし、敗戦後は失いたるも樺太、千島を両髭となし、本州を身体、四国を鰭、九州を足、琉球を尾として、龍の天に昇る雄姿を表していたのである。
戦前の姿は、東に太平洋あり青龍の相として完全なものであった。
西の大陸は金庫に当たり、将来は支那大陸と経済連盟が成立するならば、国運は大いに長久広大するはずであった。
支那には万里の長城あり、満支の分離を制約する。一般の住宅の中廊下のようなものである。北方にシベリアの荒原あるは凶相である。中ソ必ずこれによって亀裂する時が来るであろう。
西方の四川の資源は吉運の相である。東南方の表門にあたる上海、香港が侵犯されているのは衰運の凶相であって、これを回復するならば、世界唯一の経済的実力国となる。
フランスは西に海、南に険しい山岳地帯、北に平野のドイツという強国がある。国相としては十悪八難四厄の大凶相である。しかし国内に美地あり、いざ国難という時には必ず英雄が出て国を救うであろう。
英国は本国小にして植民地大、尾大にして能く振るわざるの相であるが、改変すれば永久を保つ。
イタリアは結局、西の英国と握手せざれば、永久の隆盛を期し難いであろう。
いずれも皆、国相と順応せる歴史、運勢をたどりつつあるのは、あまりにも不可思議なる現象というのほかなし。
かなり古い書物なので現代に即していない部分はありますが、大局的な風水の見方として、こういう意見もあるということをご紹介しておきます。
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