この章は多少、ビロウな内容ですので、お食事どきの閲覧にはご注意下さい。
うちのトイレが壊れました。
何となく、水がチョロチョロ流れっぱなしで止まらなくなったので、これは放っておくと水道代がうなぎ上りになると思い、タンクを開けて自分で見てみました。
トイレのタンクは、前にも何度か自分で直したことがあるので、開けて見れば構造が分かると思い、蓋を開けて見たら…すごい汚れ方です。何故こんなに一挙に汚れが溜まったのか?
テレビなどで、災害で断水した時などには、トイレのタンクには一定量の水が確保されているので、などと言ってますが、とても話しにならないひどい状態。
単に水が溜まって流れるだけのタンクならここまで汚れないかもしれませんが、手洗いタイプのタンクなので、雑菌が溜まるのかもしれません。こんなものに手を突っ込んでしまったら、手を洗うのに余分な水が必要なレベル。
これじゃ、他人に水周りを掃除しましょう、と言っても説得力無いなあ…と苦笑しつつ、炊事用の手袋をつけて掃除をしていたら、パキッと何かが外れた音がしました。
単に何かが外れたのだろうと思い、浮き玉や金具などを調べて元に戻そうとしましたが、戻らない。いろいろ画像を検索して、どうやらオーバーフロー管の根元が折れたようです。このメーカーでは非常に多い不具合らしく、結構な数の記事が出てきました。
水槽用のパイプを切って自分でくっつけてもいいけど、もうパーツがあれこれと劣化しているので、メーカーサイトの修理申し込みフォームに故障箇所の写真を添えて送ったら、翌日パーツを持って来てくれて、1時間ほどで目出度く修理完了。全く説明不要だったのがいいですね。
しかし、1日でもトイレ使えないと本当に不便で、もし何かあって断水でもしたらどうなることかと、非常の際のトイレ設備を、再度見直すことにしました。
エレベーターの事故なんかもあるし、前、2時間ほどエレベーターに閉じ込められた経験もあるので、エレベーターや電車に乗る時には、必ずトイレは済ませて行こう。最悪の場合を考えて、バッグの中にも小さな携帯用トイレを必ず入れておくことにしてます。
それにしてもトイレって、マンションなんかでは、けっこう自分の住空間の中央近くに来ることも多いので、トイレのタンクは油断なく管理する必要がありそうです。無闇にいじると、私のように壊してしまう可能性もありますが、ここまで汚れていると、修理に来てもらってもそれからが大変でしょう。
今回は、すっかり掃除を済ませて水を抜いて乾燥させた状態だったので、修理も簡単に済みましたが、故障してそのままだと、もっとずっと大変だと思います。
これから新築するお宅で、余裕がある場合は、手洗い付のタンクは再考したほうが良いかもしれません。
そんなこんなしつつ、まんが日本昔ばなしのアニメを見返していたら、飯降山(いふりやま)の回がありました。
これ、けっこう怖い話で、3人の尼さんが山中で修行の途中に、欲を触発される事が出てきて、しまいに恐ろしい展開になってゆく話です。これを見ている最中、尼さんの一人が例の市原悦子さんの声で「ご不浄は済みましたか?」と仰ったので、あれー久しぶりで「ご不浄」という言葉を聞いた、と思いました。この言葉を最後に聴いたのはいつだったか…けっこう両家の子女っぽいタイプが使う言葉のような気がします。
うちのトイレタンクの汚れっぷりは、まさしく「ご不浄」でしたが、ほんとにトイレにはいろんな呼び方があるものだと思います。食べなければ生きていけないし、食べれば出ます。
快食快眠快便を健康度のバロメーターのようにも言いますし、本当に生活に密着しています。
家の中でも、トイレの問題は非常に大きなものですが、今回は少し、呼び名の面とその他もろもろを考えてみたいと思います。
●そのものを指す言い方+英語
トイレ=筆者も自分でトイレトイレと書いていますが、これ実は「Toilet」=「便器」ですよね。そのものズバリだったんだ…。
でも基本的に、英語であろうと日本国内では独立して別の意味で使ってると思うことにしてもいいですが…外人さんがこれ聞いたらどう思いますかね。でも余りに使い慣れてしまったので、普段は仕方ないか…。外では洗面所、お手洗いということが多いような気がします。
英語が出たついでに、Lavatoryというのもありますが、Toiletと似たようなものらしいです。でも、海外のレストランなんかでLaboratory(研究所)と言い間違えると、ボーイさんが笑いを噛み殺すのに大変ですので、間違えないようにしたほうがいいでしょう。
Powder roomとかRestroomとか言うのが良さそうです。
ちなみに「W.C」はWater Closet(水洗便所)の略だそうですが、水洗じゃないところで言うとヘンな顔をされるのでしょうか…
ただし、筆者の家に来てPowder roomと言ったら、絶対に風呂場の隣の洗面所に案内します。そこに「トイレット」はありません。
Restroomと言ったら、アンタ、アタシと話してるの疲れたの?じゃあ喫茶店はあそこだよ!と言って追い返してしまうかも。駅の待合でもいいけど。
●婉曲系
英語の時間に習いました…特に建物などが無くてそのへんの木陰でやっちゃおう、というような時には、これが良いそうです。が、本当でしょうか…?「自然が俺を呼んでいる」
何となく詩的…と思えば思えないこともありませんが...
人里離れた荒涼とした場所で車を止めて、この言い回しを知らない人に真面目くさった顔で言ったら、勘違いされませんか?
「ちょ、ちょっと待て…何があったか知らないが、早まるなっ!」
たぶん、一瞬考え込んだ後に笑ってしまうような気がしますが。自然が呼んでいるというのは、甚だしく不自然なような。
普通かな。なんか照れ隠しっぽくてかえって悪目立ちしそうですが、意味は伝わると思います。
これは有名なので、ほとんど分かると思います、ほとんど…。
中には手ぶらで帰って来たら、「お花、なかったの?あそこのみんなが一杯ピクニックしてる辺りのほうが咲いてるのに」と言う人が居るかも。
レコーディング→音入れ→おトイレだそうです。どんなものでしょうか。分からない人がいっぱい居ると思いますが、一人で離れるのに心配をかけない状況でなら、構わないと思います。
こう見てくると、婉曲表現というのはなかなか全員にストレートには伝わらない可能性もあると思います。もうはっきり言っちゃったほうがいいのでは?
そうすれば他の人も一緒に用を足しちゃえばいいんだし。そう、「用足し」ぐらいがはっきりしてていいような気がしますが、これはあくまでも個人の感性と、婉曲表現がどの程度伝わるか、ということの兼ね合いだと思います。
こんなの解説しなくても分かりそうなものですが、何と、筆者自身はかなり長いこと、誤解していました。それも大人になるまで...
ある時誰かが「便所って言い方、モロすぎるよね」と言ったので、「便所の便とは、大便、小便のことだったのか!」とハタ!と気付きました。
それまでは便所のことを「便利なところ」だと思っていたのです。だってそうじゃないですかー、一人になって、変なスタイルでちょめちょめしたって人に怪しまれないし。たまに鏡なんか使って、ゴソゴソするのが趣味の人も居るようですが。
なんでこんな風に思い込んでいたのか、記憶が定かではありませんが、どうも子供の頃に父親からそういう風に吹き込まれたような気もします。大人になるまで気付かないというのも、頭のネジが1〜2本緩い気がしますが…
後は普通の日本語として、お手洗い、洗面所、化粧室、ご不浄などがあります。特に便利な意味はありません。
ちょっとだけ風水学らしく漢字が並びましたが、だいたい意味は分かると思います。はばかり(憚り)は辺りをはばかりながら行く場所なので、そのまんまの意味です。
閑所(かんじょ)も人気のない閑散とした静かな場所を指すので、はばかりと共に婉曲表現と言えないこともありません。ほら、やっぱり便利なところというのは間違いじゃない。
厠は川屋と同じ意味です。川の上に板などを渡した上で用を足してそのまま水に流していたので、そのまんまの名称です。手水(ちょうず)も手を洗うという、水に関係した名称ですね。やはり水関係が多いようです。
後架と雪隠とは共に寺院発祥の言葉です。架というのは、現代でも使うとおりに、棚などを架け渡したものですが、僧堂の後ろに架けた洗面所や便所付近を後架と呼んだそうです。
最後に、雪隠(せっちん)は中国にあった雪隠寺というお寺が語源だそうです。日本の家相学では、雪=北のイメージからか、北方位にある便所は雪隠と言う場合があります。しかし語源はお寺で、雪隠寺のお坊さんが、よそのお寺に移ることになったそうですが、雪隠寺では便所掃除が役割だった為、移った先のお寺で、いつの間にか、雪隠=便所になってしまったそうです。
便所掃除係じゃなくて、もっと出世してから移れば、そんな名前にならなかったのにね。むかぁーし、むかしのことじゃった…そうな。
このように、トイレ、便所というのは、生活に無くてはならないもので、大災害で避難の経験のある人などが一番言われるのが、トイレが不便で非常に困ったということです。食べれば必ず出ますし、ちゃんと出ないと、体の中に毒素が溜まり、体調を維持できません。
差し支えないというのは良い場所ではなく、他の場所よりも、凶意の少ない場所ということです。それはまず、臭いのこもらない場所です。
家の中でその場所特有の生活臭のようなものを「理気」と言いますが、その理気をいちはやく外に逃がせる場所が、一番影響が少ないものです。
気象的に一番その条件に近いのは、東、南東です。もちろん、家の構造が臭いのこもらないようになっていることが条件ですが。
逆に、トイレがあってはいけないのは、鬼門(北東)、裏鬼門(南西)、天門(北西)です。
いけない順番で言うと、1鬼門、2天門、3裏鬼門ですかね。
鬼門は思わぬ変化を呼ぶ方位ですし、天門は活動力や権威、それと、何よりも大切な神仏の守りを意味する方位です。裏鬼門は家族や体力、勤労意欲を司りますので、いざという時には体力が大切です。筆者が個人で決めるならば、1天門、2鬼門、3裏鬼門の順で守ります。
あと念の為、誤解の無いように言っておきますと、南東の玄関や南東の水場、南東の階段・吹き抜けなどが推奨されるのは、南東が吉の方位だというわけではなく、南東が比較的悪影響が少ない方位だからです。新陳代謝というか、悪い気が出ていきやすい方位なのです。東にも南東に近い意味がありますが、東は東西南北のど真ん中なので、南東よりも少し悪影響が強くなります。
これは南東を大切にするという意味ではなく、家の中でリスクの高い不浄のものを南東に持ってくると、他の方位よりも被害が少ないというだけのことで、南東に玄関を作れば良いということではありません。
もちろん、南東に玄関や階段やいろんな不浄のものを持ってくれば、それなりに南東のもつ性質を克します。しかし、南東の持つ意味とは、社交性とか信用とか縁とか、人の出入りとか通信とか旅行とか、割と人間生活の上では順位の低いものです。それがダメになっても、決定打にはならないものばかりです。
たとえ信用と縁で生きている、という人であっても、病気で倒れたり、離婚騒動で家庭内別居になったり、経済的に破綻して土地家屋を失ってしまったのでは、信用も縁もあったものではありません。結婚できなくても、別の道もありますし、結婚した為に不幸になる例だって、枚挙に暇がありません。悪い噂が立っても、とりあえず自分自身が無事なら生きてはいけます。これが他の方位だと、それでは済みません。
南東玄関など、よく南東が話題になるというのは、それだけのことなので、南東を重視するということとは全く違いますので、その点はカン違いのないようにお願いします。
非常の際のトイレに関しては、マンションなんかだと南東向きのベランダもけっこう多いので、簡易テントとダンボール製の組み立て式トイレなんか準備しておくといいですね。
特に女性の多いご家庭は、おさおさ準備怠り無きよう。
このように、トイレはとても大切なものですが、話題が話題なので、とっても尾篭な話になってしまいます。しかしとても大切なことなので、最後に決定打を一発。
「便」でも、大便はうんことも言いますが、うんこには正式な漢字はありません。「うん」はトイレできばる時の声なので、擬音であり、該当する漢字はありません。
この「うんこ、大便」が何で出来ているか、ご存知ですか。
かなり多くの方が、大便は食べたものの未消化なカスだと思っておられるかもしれませんが、実際には食物の残滓はおよそ5%ほどです。
水分が60%、これはいいとして、あとは腸壁の粘膜からはがれ落ちた細胞と、細菌類の死骸です。これでいくと、食べ物のカスは、水分を除いた後の2割もいかないのです。
言ってみれば、便というのは古い自分の抜け殻みたいなもので、生きてゆくには毎日トイレで頑張って、自分自身を更新していく必要があるわけです。
腸は新陳代謝の一番活発な部分なので、これだけの量を毎日排出しているわけで、便がスムーズに出ないと、いろいろ不都合が多いのも道理です。それと、宿便とかいうのも真っ赤な嘘で、これだけ新陳代謝の盛んな腸内に、もし真っ黒な便が残っていたりしたら、それは大変な事態で、何らかの症状が出ている筈です。
便の成分を考えると、やはりお通じが良いということは、身体の働きそのものが活発だということで、とても大切なことではないでしょうか。
住環境をきちんと整えて、家も人も、快食快眠快便、どんな時にもこれを心がけたいですね。
最後に、世界のトイレ事情を探ってみると、いろいろ面白いことが分かります。排便の時というのはどうしても無防備になりがちなので、動物的な警戒本能が強くなるわけで、それだけに安全な密室が好ましいわけですが、世界にはトイレが密室でない国があったり、トンでもなく使い勝手の悪いトイレもあるようです。
優雅なイメージで語られることの多いパリのベルサイユ宮殿なども、トイレが完備しておらず、宮殿のあちこちでおまるで用を足すので、とても不衛生で臭気が漂っていたという話があります。ハイヒールというのも、おまるに溜めた汚物を道端にどんどん投げ捨てる為、道路がとても汚いので、汚物を踏まないよう爪先立って歩く為に作られそうですし、中世のふくらんだスカートも、あの下でおまるを使うのが大きな目的だったとも言われています。
トイレに関しては、昔は「川屋」に不自由せず、現代ではウォシュレットが一般的になる日本に生まれて、とても幸せだと思います。
また、パリではなく英国の話になりますが、「我が秘密の生涯」という本があります。
いちおうポルノではあるのですが、世界の奇書と言われる実に大変な本で、筆者も初めてこれを読んだ時には、余りの内容に仰天すると同時に、心の底から感動しました。作者不詳ですが、とにかく徹頭徹尾、性…というよりも性交を追い求めるその熱情というか、執拗さというか、よくここまで出来るものだと思いつつも、結局その行き着く先では、人間の業のようなものに支配される、その過程が素晴らしく丹念に描かれています。
この本は何しろ性描写が延々と続くので、当然ながら下ネタ全般が絡みます。その中で、当時のトイレ事情が自然と分かり、それが主人公の性癖に影響を及ぼす過程が理解できるので、トイレの話がとても面白いなと思っていました。
読んでごらんになるのも一興ですが、とにかく普通の本ではないことを覚悟しておく必要があります。かなり読書力も必要ですし、けっこうな異性経験を経た方でないと、ストーリーの表面に囚われてしまうと、この本の価値が見えて来ないかもしれません。
個人的な意見では、必ずしも実際の異性体験が多い方よりも、夢想の世界で執拗にものごとを追求することの出来る方に向いた本だと思います。あけすけに言ってしまうと、オナニー好きに向いているということです。もともと芸術とはオナニーの産物みたいなものだと思っていますし、知性がないとオナニーは出来ませんから(笑)。
ダイジェスト版もありますが、この本の特質は、その執拗さと圧倒される量、その二つがあってこそ、性遍歴の果てに行き着く先の物悲しさみたいなものが導き出されると思っているので、一定期間をどっぷりとこの本に浸って読み通す力が必要だと思います。
そういう意味では、どなたにでも気軽にお勧めできる本ではないかもしれませんが、小説好きで興味の湧いた方は、ぜひ手に取ってみて下さい。
最後に、スティーブン・キングのファン向けに「SSDD!」
(Same shit Different Day)−ドリームキャッチャーより−
一種の隠語なのでお気になさらず…
「2012年11月記」
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