最近、やたらと地震多いですね。
だいたい、春先は地震が多いのです。寒く縮こまっていた大地が緩んで、地下水も動きだし、いろんな生命活動が活発になり、大地も伸びをするのでしょうか。
ほんの少し、大地が伸びをしただけで、地上では慌てふためいて大わらわです。
2011年の東日本大震災も、3月11日でしたよね。
この季節は三寒四温、一雨ごとの暖かさ、と言いますが、今年はなんだか、例年よりも寒いような気がします。1月のトンガ沖海底噴火の影響が、早くも出ているのでしょうか。
あれだけ上空に噴煙が上がったら、日射量にも微妙に影響が出てくるでしょうし、真面目に、今年の作物の出来が心配になってきました。稲作農家さん、お米は寒さに強い品種を作って下さいね。
今回のタイトルですが、最近頼まれた鑑定で、余りに、もろ海辺にある物件だったので、えっ?これ浸水危険地域じゃないの?と思い、改めて調べてみたら、完全に中央構造線の真上でした。
そう言えば、あれ?中央構造線のこと、書いたことなかったっけ、と自分の迂闊さに気づきました。
地質学とか地震サイクルの話なんて、何十万年、何百万年の単位ですから、みんな、あんまり気にしないとは言え、これは常識として持っておくべき知識ではないでしょうか。
余りに短い、人間の寿命なんていう、吹けば飛ぶようなものと比べると、地球の生命とかサイクルなんて、関係ないと言えば関係ないのですが、そんな考え方だと、地質学なんて研究する人は居なくなってしまいます。
寿命と言えば皆さん、キソウテンガイ(奇想天外)、又はサバクオモト(砂漠万年青)という植物を知ってますか?学名をウェルウィッチアと言い、何千年も生きるそうで、この写真はナント、推定2000歳だそうです。
植物には、本当に摩訶不思議な種類があります。このキソウテンガイも、日本でも育てられてますが、余りに成長が遅いので、「これが大きくなるまで、俺が生きてるわけじゃないから、関係ないや」なんて考える人ばっかりだったら、研究なんてぜんぜん進みませんよね。
しかし、最近の地震の多さは、自分が生きてる間は大丈夫…と考えるには、少し不気味です。
鑑定物件でも、気になる場所の物件は、いちおうこちらでも、自治体のハザードマップで確認するのですが、皆さん、意外と気にしないというか、ハザードマップなんて、あまり見ておられないようです。
賃貸しならまだいいんですが、購入の時には念の為に、調べておいたほうがいいのではないでしょうか。311の時も、けっこうあちこちで液状化が起きたようですが、あの後どうなったのでしょうか?続報があまり聞こえてこないので、分かりません。
今回、ふと思い出したのも良い機会ですから、日本に住む以上は覚えておいて損はない、中央構造線とフォッサマグナのことを述べましょう。
中央構造線とは、九州東部から関東にかけて横断する、断層のことです。世界第一級だそうです。断層があるとどうなるのか?そこの部分に地震が起きやすいのではないか、というのは想像がつきますね。
中央構造線と言っても、日本列島の中心線にあって、表日本と裏日本を区切る、というわけではなく、綺麗に山脈を避けて、わりと地形の複雑な場所を通っています。いや、中央構造線があるので、こういう地形になっちゃったのでしょうか。
なるほど、これでは、南海トラフ地震などを心配するのも、無理はありません。
地震ってほんとに、私の生きてるうちはダイジョブダイジョブ、と流せればいいんですが、日本に住んでると、いつ遭遇するか分かりません。心配しすぎもよくありませんが、無関心もよくない、何とも難しい問題です。
中央構造線と同じぐらいに、地質、地形のポイントとなるのは、フォッサマグナです。これはラテン語で、「大きな溝」「大地溝」という意味だそうです。
溝なんてないじゃないか、川のこと?とか思いそうですが、上の図では青い線で挟まれた、オレンジ色の部分がフォッサマグナです。
ずいぶん大きな溝ですね。関東から新潟方面がスッポリ入ってしまいます。
溝というのですから、この部分が凹んでいたり、柔らかいのでしょうか。
確かに、境界が完全に糸魚川に沿っており、諏訪湖などの湖もあります。
藤岡換太郎 フォッサマグナより |
しかし、関東がこんなにスッポリと、フォッサマグナに入っているというのは、かなり衝撃的。
江戸時代、関東は治水に苦労しながら、何とかかんとか、利根川水系や荒川水系を治めてきたわけですが、関東という地域ぜんたいが、「溝」だったんですね。荒れる水系が多いのも、無理はありません。
このフォッサマグナ、日本列島が、真ん中から折れ曲がっているのも、このせいなんだそうです。
日本列島が、真っすぐにならずに柔らかい部分で折れ曲がって、こういう形になったんですね。
イギリスもニュージーランドも、こんな変わった形をしてはいません。やっぱり日本って、いろんな意味で特殊なんですね。
私達の寿命とは、スケールの違う話ではありますが、覚えておいて損は無いお話でした。
でも、中央構造線を跨ぐような大きな家建てちゃったら、どうなるんでしょうかね…。
「2022年4月記」
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