風水学講座：目次

ニキビで分かる健康と未来

吉方位を割り出して開運旅行をしたり、過去から未来にわたる運命の流れを読んだり、ということは、すぐにはできません。系統立った知識が必要ですし、素人考えで間違ったら大変です。しかし、仙道五術の中に、誰でも簡単に、断片的な知識だけで分かることがありますので、その一端をご紹介しましょう。

ニキビというのは、仙道五術では苞（ほう）といい、いわゆる思春期に顔一面に噴き出るニキビの大群とは違います。普通の「肌荒れニキビ」とでもいう吹出物とも、異なります。

もちろん、体調とは関係があるのですが、健康と運命に密接に係わりがありますので、ここでご紹介する苞を一つ覚えておかれるだけでも、ずいぶん役に立つ筈です。

「山根」のことを覚えよう

まず、鏡に向かって下さい。「今日も美人に映ってるわ！」とうっとりするのは後回しにして、あなたの顔の中で、目と目の間、鼻の付け根部分に注目して下さい。

この部分を、人相学上では山根（さんこん）と言います。この場所に、ある朝ポッチリと赤いものを見つけたら……。
それはチョコレートの食べ過ぎでも、あなたが思春期に戻ったわけでもなく、山根が健康上の注意信号を発しているのです。

山根というのは人相学上は「寝室」を表します。
寝室というのは、健康と体力の源であり、男女関係の中でも特にセックスを意味します。ですから、ここに何かが出るということは、健康、セックスに係わる何かを訴えているのです。

ここに、赤い小さな苞（ほう）が出て、まだそれほど形が崩れたり膿んでいない時には、軽い風邪、呼吸器系の不調を表します。前に、このことを針灸師の友人に教えてあげたら、「そういえば、花粉症の患者さんが、みんなそこにニキビが出てるから、何だろう？と思ってた！」と言ってました。

重症だぞ！

ただし、この部位（山根）の中でも、場所によっては意味が違います。丸く囲ったこの山根の範囲のうち、上の方であれば喉、胸など呼吸器系の疾患。下の方に行くにつれて、意味する体の部位も下がります。真ん中へんであれば胃腸の病気、ずっと下の方であれば、泌尿器、性器など下半身の疾患を心配して下さい。
まあ、どこが悪いのかよく分からなくとも、ここにポツンと赤いものが見えたら、「あ、オレ、疲れてるな。少しペース落として休まないと、もうすぐ風邪かなんかでダウンだ…」と思ってください。

小さな苞の場合は、当人が少し体調を壊すだけで、比較的軽症です。数日休めば回復するでしょう。ところがこれが、ちっちゃなニキビではなく、デカイ大砲級のニキビで噴射口があったりした場合は、もっと重症ですので、仕事は差し置いて、すぐに休養を取ったほうが賢明です。

色は、軽症から重症の順に、ピンク、赤、青紫、黒です。色が濃くなるほど重症です。大きさも体調を壊す度合いと比例します。ただし、ニキビの場合は一時的な疲れから来る不調ですので、たとえ高熱を発したとしても、休めば比較的順調に回復します。体調が回復すれば、同時にニキビも消えてゆきます。

この部位がニキビでなく、青筋が立ったり暗い澱んだ色になった場合は、もっと重症です。体の中に根本的に悪い部分があり、それが急性の疾患となって現れますので、一時的な休養ではなく、よく医師の診察を受けて、根本的な治療を心掛けて下さい。

家族のことだって分かる

この部位に白っぽく粉を吹いたような色が出た場合は、家族の中に不幸が出る暗示です。この場合は、山根と同時に、眉間やその上、髪の毛の生え際の辺りに汚い苞が出たり、黒く煤けたようになることが多いものです。
顔の中心線の苞が膿んだものを、古来「面疔＝めんちょう」などと言って特に恐れますが、まんざら理由のないことではないのです。

顔の中心線のうち、髪の毛の生え際に近い部分は神仏を意味し、少し下が遠い先祖、もっと下が近い先祖、眉間の少し上あたりが親。眉よりも下の、鼻の部分に入ると、自分自身です。

仕事などで機会のある方は、精神病患者の顔を見てみて下さい。必ずと言っていいほど、髪の毛の生え際に近い額の中心部分が膿んだり、傷ついたり、黒く煤けています。重い精神病というのは、単なる神経性の疾患ではなく、神仏の怒りをかったものと言ってまず間違いはないでしょう。
ですから、人間の小賢しい医療では、精神病は直りません。正しい宗教的な修行を当人と家族にさせなければ、完治は難しいでしょう。

額の傷の暗示

また、人相学では、額の、特に中心部分に傷のある人は、目上の者に反抗するという性癖があります。もともと傷があった訳ではなく、後天的に出来たのだとしても、この傾向はついて回ります。
ですので、サラリーマン社会で部下を選択する場合、能力の有無は別として、額の中心に傷のある人物は、非常に使いにくい部下です。事と次第によっては、下剋上を起こしかねません。
下剋上といっても、いろんなケースがあります。この傷がギザギザで汚ければ、裏切ってはならない正しいものまで裏切り、傷がきれいで、当人も信仰心篤く能力も十分であれば、間違った体制に刃向かう革命家、とでもいったような生き方になるでしょう。

ちなみに、日蓮聖人は、鎌倉の法難で切られ損なった時に、頭上の刀を数珠で受け止めた際、額に傷が出来たそうです。彼の激しい体制非難、他宗攻撃に徹した、歯に衣着せぬ言動と生き方は、人相学から見ても非常に興味深いところです。

日蓮聖人のことはさておいても、日本に於いて男性の額に傷をつけることを極端に気にするのは、日本の武家社会という縦構造の中では、たとえ自らが正しくとも、目上に逆らうという性癖は、命取りになったからでしょう。

女性の場合は父親や夫運を克すことになってしまいます。万が一、額に小さなニキビでも出来た場合は、くれぐれも引っ掻いて傷をつけたりしないよう、慎重に扱ってください。
もしすでに小さな傷でもある場合は、なるべく傷が隠れるような髪形を工夫されることで、少しは傷の悪影響をカバーすることが出来ますので、試してみて下さい。
もしくは、隠すのが嫌ならいっそのこと、既存の体制、既製の価値観を打ち破るべく、じゅうぶん修養を積んだ上で、自由な発想と行動力で、オリジナルな新しいものを作られては如何でしょうか？

ニキビには、希少な例外として、黄色の交じったピンクの苞があります。小さくて形の整った苞に限りますが、これが山根に現れた場合は、家庭内な男女問題に関することで喜びがある、という、吉暗示のニキビです。
ですが、これは知識として覚えておいていただくぐらいで十分です。吉祥ニキビは非常に少ないものです。どのくらいの確率？と言われても困りますが、ニキビが出たら、人相の専門家にいちいち見て貰わなくても、すべて凶相、と思って確実なぐらいに、吉祥ニキビは稀なものです。

（2000年頃記述）