風水学講座:目次

家屋のフォーメーションとは


家の鑑定をしていると、ずいぶん様々な、変わった形をした家があるものだな、と改めて感心させられます。どういう形が吉か凶か、またどの程度の相をした家に実際に住めるか、それは各人の今後の研鑽にかかっています。しかし、吉相、凶相を丸のみに覚えるよりも、何故、吉相とか凶相というものが出てくるのか、その発生原因を考えてみると、より覚えやすく、応用も利くことでしょう。
今回はその一端に斬り込むべく、普段とは違う角度から考えてみたいと思います。

実はこれはとても重要な話で、かなり専門的な部分も入ってきますので、一般の方々はもちろん、当サイトの講座の皆さんにとっても重要な話かもしれません。しかし解釈の深度には、それぞれいろんな段階がありますので、ご自分の関心の範囲に合わせてお読み下さい。

まず、もの凄く単純に、どんな形があるのかを見てみます。ごく簡単に、吉相と凶相に分類していますが、実際の住宅の場合には、玄関や窓や階段などの開口部やそれに準じる要素があり、また水場や押入れなど、人間の「気」みたいなものの強弱が関係する要素もあります。
ですが、こういう複雑な人為的な要素はひとまず置いておくとして、単純に全体の形や輪郭から見た吉凶の話です。

代表的な形には、次のようなものがあります。

吉相 凶相


家の「吉凶」ってどういうこと?

さて、吉凶と言っても、本にそう書いてあるからと言って、訳も分からずに鵜呑みにするものではありません。また単純に「吉」か「凶」かに二分されるわけではありません。
家屋の吉相・凶相というのは、どういう意味でしょうか。
考えられる具体的な条件としては、一定の安定度があって、人間の暮らしと心身の健康を護るシェルターの役割を果たし、しかも適度な動きが生じやすくて人間の成長を促し、更なる段階への発展も望める、ということです。
安定感が欲しいからこそ、しっかり休養したり安眠できるスペースを確保できる家が好ましく、また落ち着くだけではなく、外に出て行って活動できるように、ある程度の動きやすさも欲しいわけです。安定感も活動性も、どちらも重要ですが、外で働いて家に帰るのは休養を取る為、というケースが多いので、比率から言うと安定感のほうが重要なケースが多いでしょう。

上の表の吉相に楕円形が入っていますが、完全な円形や球体というのはまた違う性質があるので、角が丸まっているとか、円柱状に近い物体を想像して下さい。
この「一定の」安定度とか「適度な」動き、というのがポイントで、安定しすぎるとガチガチに固まって発展力がありませんし、動きがありすぎると、落ち着かず不安定になってしまいます。


フォーメーションとは?

ここで、この章のタイトルに使っている、フォーメーションという考え方が出てきます。
フォーメーション(Formation)というのは、配置、隊形、陣形のことです。

スポーツの世界では、どの選手をどこに配置するか、主に団体競技で重視されます。軍隊では、戦闘に臨んで兵が孤立化したり、逆に固まりすぎて能力を存分に発揮できずに壊滅するのを防ぐ為、効果的に戦力を発揮する為の配置に腐心します。
どちらのケースに於いても、攻撃と防御をどのように展開するかに関わる、重要な問題です。

地学の分野でも使われる言葉で、土中に含まれる成分ごとに、どのような堆積のしかたをしているか、水分の多い地層と火山灰の層、粘土層、生物の遺骸の層などが、どのような比率と形で堆積しているか、その配置もフォーメーションです。

このフォーメーションというのは非常に重要な考え方で、生活のありとあらゆる分野に存在します。これをきちんと見分けて使いこなすことが出来るか否かで、生活の充実度や効率に、かなりの差が出てくるでしょう。
とりあえずは、家屋の形状に関して、風水学での解釈をしてみます。

フォーメーションで最も重要なことは、「安定」と「動き」が、ほどよく組み合わさっているか否かです。安定=防御、動き=攻撃と考えると、分かりやすいでしょう。球技などの場合は、競技人数とフィールドの広さが決まっているので、定番のフォーメーションがあります。
じつは風水学にも、ちゃんとそういう定番があります。
つまり、「適度な比率の長方形が吉相である」というのが、それです。三角形とかひょろ長い形状は避けるのがセオリーですね。
また、標準的な家族構成に応じた家の広さ、というのも、定番に数えられます。
一人で大邸宅に住むのは死にスペースが多くなってよくありませんし、大家族でワンルームに住むのも、無理があります。

上記に掲載した、幾つかの単純な形状を見てみましょう。いろんな形を見て、安定感を感じるか動きを感じるか、動きがありすぎて不安定な感じがするか、自分なりに考えてみて下さい。
正解を決めてしまう必要はありませんが、例えば、自然界からある種の作用、力がかかるとすると、その作用の方向に対して、きちんと直角に向き合うほうが抵抗力があり、斜めになるとねじれが発生するので弱くなります。地震の場合でも、家の構造が複雑で変形の多い家のほうが弱いものです。大きな建物はまた違う考え方で耐震構造を工夫してありますが、個人の家は無闇に大きな変形を作らないほうが無難です。

また方位のもう一つの特徴として、ある方向から何かの作用があるとすると、その反対側にも影響があると見ます。例えば、北を問題にするならば南とセットで考え、東に着目するならば西にも注意をはらう、ということです。
単純化する為に、東西南北(四正方位)で説明していますが、四隅方位(北東、南西など)に置き換えても同じです。

平面ばかりではありません。もちろん立体にも応用できます。家全体のフォーメーションがアンバランスだと、変な部分に余分な力がかかって、家全体の強度が落ちます。
最近はお神楽っぽい家であっても、建築技術の発達で、強度に不安のない家が建つようになりましたが、増改築を繰り返した古い家には、信じられないような間取りになってしまった家が、数多く有ります。

今回は、それぞれの家の間取りを云々するのが目的ではないのですが、なぜ変形や細長すぎるうなぎの寝床が良くないのか、フォーメーションという観点で想像してみて下さい。
「全体のバランス」と言ってしまえば早いのですが、それでは漠然としすぎているので、「外界からの圧力や自然劣化に対する強度や、使い方の密度に対する陣形はどうか?」という観点で考えてみてはどうでしょうか。


家屋のフォーメーションの要素

筆者が考えるのには、家のフォーメーションの要素は三種類あります。また、その要素を壊して悪相になりやすい条件も挙げておきます。


簡単に整理すると、以上のようになります。使用しない部屋があるのは良くない、という意味が、少し想像できるようになったかもしれません。

次に、フォーメーションに関連して、運命のサイクルという問題を考えてゆきます。一見、全く違う話のようですが大きく関連していますし、運命学のみならず、いろんな分野に応用できる考え方です。

運命学におけるサイクルとフォーメーション

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