観音力みくじ・運勢の見方

おみくじの内容がよく分からない、という方があります。本文の内容は、これでもかなり現代文に近く書き直しておりますし、こういうものは今すぐダイレクトに意味が分からなければ、というようなものでもないので、よく分からない部分は曰く言い難し・・・筆舌に尽くしがたい含蓄ということにしておきたいと思います。

本文の次に目に付くものに、「長運」とか「帝運」「死運」といった十二種類の運勢があります。誤解がないように、このことに少し触れておきます。

これは「死運」=文字通り「死」という意味ではありません。「死運」が死期が近いとか、「墓運」がもうすぐお墓に縁があるとか、そういう意味はまったくありません。四柱推命をほんのちょっとでもかじった方であればご存知ですね。基礎講座の方でも書いていますが、十干、十二支は万物の生成・消長の過程をあらわしたもので、エネルギー循環の様子を表したものです。この十二運も干支と同じことです。

四柱推命での十二運の種類と循環は次の通りです。

胎(たい)、養(よう)、長生(ちょうせい)、沐浴(もくよく)、冠帯(かんたい)、建禄(けんろく)、帝旺(ていおう)、衰(すい)、病(びょう)、死(し)、墓(ぼ)、絶(ぜつ)

別にどこから始まってもいいのですが、胎を十二支の子(ね)と同じように、物事の根、植物の種の状態とするとわかりやすいので、上のような順序にしてみました。
胎で種ができて養で滋養を蓄え、長生で生まれ出ます。だんだん育って帝王で頂点に達し、その後はだんだん勢いが衰えて、絶でゼロに帰ります。

運命というものを、人間の活動エネルギーの発現と読み替えてみますと(ちょっと個性的な説かもしれませんが)いったんゼロに戻さないと新しいものが入らないし、頂上がなければ谷底もないので、絶と帝王は正反対であって表裏一体のものです。
ちょうど、九星の定位盤で離宮の九紫火星と坎宮の一白水星のようなものです。九星の遁甲も十干も十二支も、基本はものごとの発生、伸長、成熟、収穫、滅亡のサイクルを分類したもので、季節の移り変わりと同じです。人生の季節の移り変わりを読むのが、運勢を見るということになります。
九星で見るか十二支で見るか十干で見るか、はたまた十二運でみるかは、太陽暦と太陰暦、または二十四節気でみるかの違いぐらいなものです。少々言葉とサイクルの分け方は違えど、けっきょくはものごとの消長発展の成り行きをみることに他ならないのですね。

これがおみくじで出てきた場合、例えば吉で絶運というような場合があります。こういう場合は現在の運気は吉だが、エネルギーがいったんゼロに返っている状態なので、無理に自分から新しいことを起こすにはエネルギー不足だというような読み方ができます。

このおみくじ独特の用語として、宦運と臨運があります。これは上記の十二運の用字の違いと思われます。宦=冠帯、臨=建禄とすると、宦が職位を得る、臨が実際に職に臨むとなり、ちょうど意味の上でも順序の上でも一致します。
観音力みくじに出てくる十二運の循環は次の通りです。
長が出たら次は沐になるんだな、という見方をすると良いでしょう。

胎→養→長→沐→宦→臨→帝→衰→病→死→墓→絶

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