風水は運命転換に大きな効果があるのですが、何といっても、引越や改築は大変なことです。
費用がかかることはもちろん、個人の意志だけで、なかなかおいそれとは決定できないものです。
改名の一番の利点とは、誰でも自分の意志で、すぐ実行できることです。
その効用とか根拠については、数霊術だの音韻の影響だの、いろんなことが言われますが、いまだにはっきりした理由は解明されていません。
解明されていないにもかかわらず、不思議にもその人の運気は、目に見えて変わってきます。これは実際に、どの程度社会的に使用できるか、また改名した名前そのものが、本当に吉名であるかどうかにもよるでしょう。
しかし、実際に開運に思いがけない効果があることは、筆者がこの目で確かめています。
ですが、実際の使用については、いろいろ制約があり、どのようにすれば良いのか、案外簡単なことをご存じない方が多いようです。また、実際的な手続き上のことに触れた本もないので、ここで筆者の知る限りのことを述べておきます。
筆者は実際、かなりの数の人を改名し、自分の家族については戸籍まで改名しています。他にも、戸籍まで改名に成功した人を何人か知っていますので、改名した場合の使用法、戸籍面での手続きなどを述べます。
この章では主に、実際の使い方について述べます。まず実際に使い始める前に、自分の先祖の仏壇、産土神(うぶすながみ)などに第一番に報告します。
やりかたは、何かきれいな半紙とか奉書紙(ほうしょし、文房具店で売っています)に、筆ぺんなどで、次の項目ををきれいに大きく書きます。
新しい吉名と振り仮名
生年月日
改名した年月日
これを、スペースによって広げても畳んでも結構ですので、神棚、仏壇などにお供えします。どちらもない場合は、どこか整理整頓された清潔な場所、座った時に目より高くなる位置に飾ります。
そして、神仏と先祖に向かって、次のようにご挨拶します。
「私は今日から、新しく生まれ変わりました。これから、この名前の暗示どおりの、希望に満ちた、豊かな人生を歩きます。」
これを、しっかりとご報告し、自分自身でも肝に銘じましょう。
次に、先祖の菩提寺にお参りされるもよし、産土神や特にご縁のある神社などにお参りされるもよしですが、同じようにご挨拶しましょう。
いよいよ、新しい名前を使い始めます。とにかく、自分でどんどん新しい吉名を使用することです。作る物が幾つかあります。
◆表札、名刺
ここで注意すべきことは、前の名前を一切書かないことです。よく、「○○改め○○」と書く人を見かけますが、これでは旧名の悪い暗示をずっと引きずることになります。
今日から生まれ変わって、新しい人格が誕生したのだという気持ちで、新しい吉名だけを記してください。普通郵便は姓さえあっていれば届く筈なので問題ないでしょう。
◆印鑑
印鑑には最低、認印、実印の二種類が必要です。このうち、認印は姓だけなので関係ありませんが、フルネームの実印は、新しいものを作りましょう。
これまで、実印は実際の姓名と違う場合は、受け付けられないということになっていましたが、筆者の経験では全部大丈夫でした。
ですがついでに、息子の改名の申請のさい、実印と印鑑証明を持って行ったところ、「これは必要ありません」と言われて拍子抜けしてしまいましたが。
受付窓口によっても違うかもしれませんが、印鑑というのは、どうせ「印相体」「篆書体」などの判読しにくい文字を使いますし、届けたものと押した印が一致すれば良いので、本人の名前と完全に一致するかどうかは、あまり関係ないのかも知れません。
印鑑を作る時は、開運印などと銘打った高価なものを買う必要は全くありません。あれは、印鑑屋さんの商売に貢献するだけです。
材質はやはり象牙が一番向いてはいますが、若い方でしたら水牛、柘植などでも全く構いません。
印鑑に向いているというのは、篆刻しやすさ、強度、保存性などの物理的な性質の話です。価格は最近の相場はよく知りませんが、3万円以上かける必要はないと思います。
ただ、象牙を指定すると、輸入禁止の材料なので、法外の値段を吹っかけられがちです。そんな時はあっさり割り切って、他の材質を選びましょう。
これはデパート、印鑑屋、通信販売などを覗いてみられて、価格の相場を見ながら探せば、手頃なものがみつかるはずです。
ですがほとんどの店が、山梨の業者から入れています。原価を見ると、それほど高いものではありません。象牙にしても、輸入禁止になる前に買い溜めたので、ダブついているという噂もあります。
実印を作ったら、さっそく区役所などに変更届などを出して登録します。
これまで成人で実印を持っていなかった人は、これを機会に、自分の実印を登録しましょう。
◆銀行口座
実印を作ったら、さっそくその印を使って銀行口座を作ります。改名した新しい名前でできる場合とできない場合がありますが、これは銀行によっても違いますが、現在では戸籍と違う名前ではほぼ無理なようです。
下で紹介する認証カードが役に立つ場合もありますし、郵送申込だと証明書なしでそのまま作れる場合もあります。概して地元の銀行の方が作りやすいようですので、1箇所で駄目でも研究してみてください。
もし首尾良く作れたら、出来るだけこの口座を多く使うようにすると良いでしょう。
これだけのものを作ったら、さっそく新しい名前を使い始めます。
個人によって、使う機会が多い人、少ない人の差はありますが、次に上げるものから、実行できるものは全部実行しましょう。
◆カルチャースクール作戦
まず使い易いのは、趣味の団体などです。
何も趣味のない人は、無理にでも趣味を作って、サークル、カルチャーセンターなどに入るのも一つの方法です。
「小人閑居して不善をなす」と言いますから、これまで運命が悪くて友達も少なかったような人は、これを突破口にして、友達を作る、一芸を身につけるなどにチャレンジしてみましょう。
もし向いていないと思ったら、また別のことをすればいいのです。ダメモトと思っていれば何でも出来ます。
そして必ず、会員証、発表会のパンフレットなどの印刷物に、新しい名前を残しておくことが肝心です。
◆年賀状作戦 次は、前からの友達、新しくサークルなどで知り合った友達から、必ず年賀状を貰うようにします。毎年、色んな人から最低何十枚か貰えるようにして、実績を作ります。
「年賀状、いつもあんまり貰えないの」という人も、気にする必要は皆無。
年賀状というのは、友達が多くて人望の篤い人ほど多く来るとは限りません。どちらかというと、義理とか利害関係で来るものです。いくら親しい相手でも、自分が出さなければ向こうからも来ません。
年賀状を出したり貰ったりが趣味、という人もありますが、筆者は虚礼に近いものだと思います。そこを逆に利用して、こちらからどんどん出せば、向こうからも来ます。
遠ざかっていた相手でも、「改名して生まれ変わりました」というお知らせとして出せば、不自然ではないでしょう。
ついでに一言、「年賀状、暑中見舞いなどは、この名前で頂けるとうれしいです」と書き添えておけば、何割かの人は付き合ってくれる可能性が高まるでしょう。
◆公共料金作戦 電気、ガス、水道、電話などの公共料金は、変更できる可能性が多分にあります。
地方自治体によっては違うかも知れませんが、住民票などと厳密に連動しているわけではないようですので、変更できる限りは変更手続きをしてみましょう。
この場合、新しく作った銀行口座から引き落として、名義が一致するようにすることです。
といっても、引っ越しなどで新しく契約するのは簡単ですが、変更というのはなかなか面倒でしょうから、いったん契約を解除し、新たに新しい名前で契約した方が早いと思います。
そこに住んだままで契約しなおす場合でも、「前の者が引っ越して、今度は親類が住むので」とでも言えば、そのまま、こちらが言う名前で書いてくれる筈です。(かなりグレーゾーンの方法ですけど)
この場合、自動引き落としにしていた場合でも、いったん払込用紙で支払うことにし、その上で新たに、上で述べた新しい銀行口座からの引き落とし手続きをすると良いでしょう。
引越、転職などされる場合は、最大のチャンスです。
賃貸住宅の契約書、公共料金など、すべて新しい名前で作りましょう。賃貸契約は不動産屋さんに住民票などと一緒に出しますが、これは食い違っていても、あまり問題にしない業者もありますが、誰が住むのかをきちんと届ける場合は、名前を改名したということを告げる必要があります。
ただし、分譲住宅の購入の場合は無理なので、これは諦めて、戸籍名にしておきましょう。首尾よく完全な改名に成功したら、それから変更することにしましょう。
会社の社会保険などは、原則としては戸籍名でなければならない筈ですが、ときどき、改名した名前で届けて、そのまま受理されている人もあります。
ただしこれは、その担当窓口の人の性格が少々関係してくるかも知れませんし、タマタマそうなってしまったのかもしれません。
大手の会社では難しいかもしれませんが、これもダメモトで、知らん顔して出してみましょう。成功したらそれで良し。
ただこれも、転職の際「普通はこの名前で通っていますから」と、改名したばかりでも、既にしばらく使用しているかのように、言っておいた方が都合良く運びます。
その上で、公的なものは仕方ないでしょうが、通常の名刺、郵便物などは、改名した名前を使用できるように、最初から言っておきます。途中からはなかなか変更しにくいものですが、最初からそれで通せば、まず大丈夫です。
★そんなことしたら、混乱するので困る、という方は、次の章の「届け出篇」をお読みください。
混乱して困るから、役所でもやむなく一定条件の下に改名を審査する制度があり、それにパスすれば戸籍の名前まで変えてあげましょう、と言ってくれるのです。積極的に新しい名前を使って、できるだけその名前になりきりましょう。
本名でないと、面倒な場合もあります。
この場合はあっさり諦めて、戸籍名にしましょう。頭の切り替えが肝腎。無用のトラブルを招く必要はありませんから。
■海外旅行
海外旅行はとにかく、何かというとパスポート、パスポートです。
これでは改名した名前の入り込む余地はありません。外国の係官はどうも融通がきかない感じですし、下で紹介する「改名の証明書」のことを説明しようにも言葉が通じませんので、どうにもなりません。
どっちみち、ローマ字では改名の効果は薄そうですから、諦めて戸籍名にしておきましょう。
国内旅行のホテル、飛行機の予約などは大丈夫です。万が一のために、下で紹介する証明書を持っていれば、全く問題ありません。
むしろ、航空券や入場券の半券など、日付と新しい名前が入ったものは集めておきましょう。
■土地家屋の権利、相続関係
こういった、シビアな権利問題の場合は、名前が食い違っていると、いざという時にトラブルを招きかねません。そんなに年がら年中あることでもないと思いますので、もしもの為に戸籍名にしておきましょう。
■生命保険関係
筆者にはあまり確定的なことは言えませんが、生命保険は戸籍の誕生、抹消と密接に連動しているので、名前が違うとトラブルを招く場合があるでしょう。上の土地家屋の権利、相続関係と同じです。
ですがこれも、保険会社で決まった人が窓口になっていて便宜を図ってくれる場合は、大丈夫でしょう。
本名と違う名前を使っていると、困る場合が出てくるかも知れません。
上記で書いた、書留を郵便局の窓口で受け取る場合などです。
こういう場合の為に、予防線を張っておきましょう。
これには、一つ方法があります。
戸籍名と通称、この二つが同一人物であることが分かるような、証明書を自分で作ってしまうことです。
これに、パスポート、運転免許証、社会保険証など、本人しか持っていない証明書の番号も入れます。写真もビザ用のスピード写真などを、貼り付けてしまいます。貼り付けたら、手を加える余地のないように、パウチ(ラミネート)してしまいます。
これが、戸籍名と新しい名前の仲介をしてくれます。
ここに記入してあるのがもしパスポートの番号であれば、パスポートとこの証明書を一緒に見せれば、本人であることが証明出来ます。
どんな場合でも有効とは限らないでしょうが、少なくとも郵便物、書留を受け散る時は大丈夫な筈です。この方法は、筆者が郵便局長さんと相談して出たアイディアですから。
もし「こんなもの、見たこともないし」と言われたら、「郵便局で、書留を受け散る時はこうして下さい、と言われて作りました。いつもこれで、証明書として通用しています」と言ってください。
日本人は前例に弱いですから、前例を自分で作っちゃいましょう。
形式は次のようにすると良いでしょう。名刺サイズでも良いし、パスポートサイズぐらいあれば使いやすいでしょう。下のものを参考にして下さい。
この証明書は、特に元の名前とぜんぜん違う名前に変えた場合は、必ず作るようにしましょう。
この形式で、自分なりに証明書を作られると良いでしょう。下の画像をそのままダウンロードし、プリントしてお使いになっても構いません。
ラミネート(パウチ)フィルムは、文房具店で手に入ります。
※この証明書は、民営化前の郵政省の時に、筆者が地元の郵便局を訪ね、局長さんと話あって作成したものです。民営化した現在はどこまで通用するか責任は持てませんが、少なくとも、口頭で説明するよりは、きちんと文書の形になっているので、何もないよりもずっとマシな筈です。
もしこのようなものを、みだりに作ったり使用した場合は私文書偽造になりますので、ここまできちんとしたものを作るということは、改名がいい加減なものではなく、当人の意思によって真摯に行われているという証明にもなる筈です。
公的証明書のタグイは多いに越したことはないと思いますが、印鑑登録証は少し危険なので、場合によってはカットされても構わないと思います。資産や権利関係によくタッチする人は、あったほうが良いでしょう。
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