さる巨大掲示板群の一角に、こんなスレッドが立った。
「超不気味なフォント」
このスレッド自体はつまらなかったので、アッという間に終了してしまったが(探しても無駄)、この余波なのかどうか、別のサイトでもこの話題が持ち上がり、チェーンメールが一つ誕生してしまったようだ。
筆者も、このメールを何通か受け取った。
内容は次のとおりである。
まず、何でもいいからウインドウズのワープロソフトを立ち上げてみる。
ワードをお使いの方は大丈夫だが、秀丸エディタでは駄目なようだ。ワードかMSワークスをインストールしていない場合は、メモ帳かワードパッドを立ち上げる。
次に「Q33NY」「QMNYC」と、半角・大文字で打ってみる。
これは「Q33NY」→「QUEENS 33番通り NEW YORK」
「QMNYC」→「QUEENS MANHATTEN NEW YORK CITY」
の略と理解するのだそうだ。
次にこの字を、現在のウインドウズ標準書体「MS
Pゴシック」から「wingdings」という絵文字の書体に変換してみてほしい。フォントの候補の、下から2番目か3番目にある筈だ。
すでにご存知の方には馬鹿馬鹿しい限りと思うが、このネタを知らなかった人は、一瞬目がテンになってしまったことだろう。
まだご存知でない方は、なるべく自分で打ち込んでみて頂いた方が面白いと思うが、MACをお使いの方もあると思うので、答えはいちおうここだ。
NYテロ直後にこのメールを受け取り、このフォントがテロリストの暗号としてやり取りされていたという話を一瞬信じてしまった人は果たしてどれくらいの率だろうか。。。
掲示板で読むとアッという間に醒めてしまうが、メールで受け取ると、確かに少し、不気味なものがあるだろう。
そういうメールにはだいたい「知人のアメリカ人がそっと教えてくれた。何しろ、マイクロソフトにテロの内通者がいるなんて、大きな声じゃあ言えないから」などという但し書きがついているものだ。
いちおう、マイクロソフトの側には全く他意はないと関係者からお知らせいただき、公式声明でも無関係というコメントが発表された。
今でも<MSワードに反ユダヤ主義メッセージ?>で検索すると、ブログなどの記事が出てくる。
Q33は住所ではなく、フライトナンバーになっている。ところが、そういうナンバーがないのが発覚した為か、筆者が受け取った時には住所ということになっていた。
筆者はこの公式発表を読む前に、伝手があってマイクロソフト社内からもっと詳しいことを教えて貰った。
※このフォントはB・Hという会社から買ったものだそうだが、そもそも10年前にこの話が出たきっかけは「NYC」をwebdings
にすると「目、ハート、摩天楼」になる…。つまり「I
LOVE NY」というメッセージになるので、wingdings
にも意図的にメッセージを埋め込んだのだろう、と誰かが勝手に推測したのが、一人歩きしはじめたものらしい、ということだった。
意図があったかなかったかは確認しようがないのだろうが、偶然とすると「NYC」の配列は確かに運が悪かったとしか言いようがない。
公式にはランダムな配列まで面倒見きれん、ということだし、「Q33」が該当しないので、今回は完全ガセネタ決定。次はもっとうまく作ってね。
しかし実は、筆者はポーの「黄金虫」を読んだ時に暗号に凝ってしまい、こういう話題が大好きなのだ。それだけに逆に、自分で確証を掴まないと納得しない。そこでわざわざ、住所を現地のNYさんに確認してもらった。
正直に言うと、これはなんだか、大人として冷静に判断するというより、興味本位の面が強いので、いささかガキっぽい行動で顰蹙ものなのだが……。
そしたら、見事にはずれ!
通りも駅も、ぜんぜん違っていた。クイーンズ地区というのも、現場とはかなり離れていた。なーんだ…。
というわけで、「世情が混乱している時には、えてしてこういうガセネタが出るもの。冷静に自分の目で判断しなくちゃいかんよ」などという、お説教めいたことをここで書いているという、なんとも不謹慎な人なのである。ごめんね。
ところが、ところが、である。
そうこうしているうちに、もっとひどいネタが飛び込んで来た。→次へ
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