当サイトも開設してから早16年。紆余曲折はありましたが、当初のごっちゃ煮状態から、最近はだんだんとコンテンツを絞るようになりました。しかしコンテンツのジャンルとは別に、少し気になる部分が出てきました。
それは、情報が古くなってきたり、言葉足らずで説明しきれていない部分があるのではないか?ということです。
情報が古くなる原因としては、大地震やら天候不順やら政変やらが増えて、「大地のようにどっしりと動かず」という表現に自信が持てなくなってきた、という事情も手伝っています。
海外旅行の危険度も増していますし、不動産だって動いたら、不動産ではなくなってしまいますよね。でも、家や土地は持ち運べないし…となると、不安定不動産になってしまうのでしょうか?
何だか嫌な話ですが、とりあえず、検証できるぶんはやってみようと、今回は地磁気の偏角のお話です。
「偏角なら小学校の時に習ったよ。7度ずらせばいいんでしょ」という方もおられるようです。しかしそれが、少しづつ怪しくなってきたのです。
何故怪しくなってきたかと言うと、それは場所によって偏角が違うという前提に加え、地球が変化しているからです。磁気、磁北、偏角というのは、予想外に変化するもので、どうせ何千年とかかかるんでしょ?自分が生きているうちには変わらないからいいよ、なんて安心してるわけにもいかなくなってきたらしいのです。
しかも、その変わり方が年々速度が増していると言うではありませんか。そのせいで、氷河期再来説だの、地球滅亡説だのが後から後から飛び出してきて、これは見逃せない問題です。早速、いろんな資料に当たって調べてみました。
偏角や地磁気が変化すると何で地球滅亡なのか…これを理解するには、そもそも地磁気と言うのが何なのか、じっくりとおさらいしなければなりません。
特に海外の偏角で、資料によって数字が違ったり納得いかない点があるけど何故なんだ?!と思っている方が多いようです。まずここから始めましょう。
偏角というとつまり、磁北と真北の差異…というのは既に理解されている筈です。しかしとりあえずは、手元の方位磁石を出して見て下さい。クルクル回ったり少しフラついてから、北を指します。しかしこれは、少しインチキなのです。
インチキと言って悪ければ、一般の人に見やすくする為に、正確さを犠牲にして、細工をしてあるのです。
方位磁石は水平にして見るものだと思いがちですが、実際は方位というのは平面ではなく、もっと立体的なものなのです。
世界各地の偏角を知ろうでもご紹介していますが、ジュール・ヴェルヌの「地底旅行」。これに既に、偏角計と伏角計が出てきます。偏角というのは漠然とながら分かるけど、伏角計ってナニ?と思う方も多いと思います。1864年発表の小説ですゾ。インターネットなんて影も形も無い時代の人に、大幅に負けているではありませんか。
磁力線は地表と平行に働いているわけではなく、実は上下の角度もついています。だから、地面にそのまま置いても使えません。つまり、磁石で北方位を見ようとしても、実際は、針は地面の中に突き刺さるような角度になってしまいます。
そこで、針が水平になるように、S極側を意図的に重くして見やすくしてあります。
ただしこれは北半球の場合であって、場所が違うと角度も全然違います。
S極側を重くしていない、普通に均一な重さの針を使用した場合、京都では50度、東京では47度ほどN極が下向きになってしまいます。これって、生半可な角度ではありませんよね。50度って…水平だと思っていたものが半分立った状態になるわけですから。
という事は…東京で売っている方位磁石は、外国では使えないことになります。外国と言ってもいろいろありますが、南半球ではまず使えませんね。
こういう事実を知らないままに「偏角」だけを覚えて方位磁石を使おうとしても、正確ではありません。
要するに、磁石には水平角度だけではなく、垂直角度があるのです。
これを知るには、ジャイロコンパスというのを使います。ジャイロコンパスは外洋を航行する船舶用なので、手軽なものは少ないようですが、もっと手軽な、球形のマリンコンパスとかいうのもあります。
皆さんがふだん方位磁石と思っているものは、無理に二次元にしたコンパスですが、本当は三次元コンパスも必要なのですね。
あんまり専門的なことは必要ありませんが、角度の他にもう一つ、大切なことを覚えて下さい。
磁力には方向だけではなく、強さがあります。場所によって強い場所と弱い場所がありますし、それは年々歳々、変化しています。
磁力は三種類の要素で出来ています。とりあえず、今覚えることは次の三つです。
A:偏角
B:伏角
C:磁力
最近は情報もずいぶん取りやすくなりましたので、詳しく知りたい方は以下のサイトで最新の資料をご覧下さい。
気象庁 地磁気観測所
地磁気永年変化
国土地理院技術資料
磁気図(偏角)
磁気図(伏角)
磁気図(全磁力)
地磁気永年変化のアニメーション
さてここまではいいのですが、なぜ地球は磁力を帯びているのか、またなぜ磁力が変化するといろんな面に影響するのか、肝心な問題が残されています。
それを次章で紐解いてゆきます。
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